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おっさんノングラータ

(B31)安定の面白時代小説|『城を嚙ませた男』感想

DN-01のために購入したもの一覧:
  純正マフラー……SP忠男のほうが燃費が良くなるらしいですが、うるさいのがネック。
  大型風防……高速道路走行には欠かせない。考えてみたらこれまで四半世紀のバイクライフの大半がネイキッドだったので、気にならないっちゃー気にならないんですが。
  USB電源供給ポート……スマホ充電用に。
  グリップヒーター……初の試み。冬でも乗る気になるように。
  PDA取り付けマウント……最近全く使っていないPSPをナビとして復活させる予定。Bluetoothって使えたっけ。
  キジマ製リアキャリア……タンデムシートにバックレストがついていましたが、キャリアのほうが使い勝手が良さそうと判断。手持ちのGIVIケースが載るなら言うことなしなんですが。ヤフオクにて、新品が定価の3分の1の価格で売られていました。




(B31)安定の面白時代小説|『城を嚙ませた男』感想_d0252390_8463599.jpg戦国時代を生きたのは信長や秀吉、家康だけじゃない、傍流の人々にもドラマがあった。『国を蹴った男』もそうだったが、伊東潤の歴史小説は普通の人々、あるいは主流になれなかった人々に焦点を当てており、誰でも人生の中で15分間はスポットライトを浴びるのだということを思い出させてくれる。本作は秀吉の天下統一、その没後に家康が台頭するという大きな時代の動きの中で、歴史を変えることはなかったが、自分の戦いを全うした人々を描いている。

「見えすぎた物見」は、下野の佐野氏の話。上杉と北条に挟まれ、全方位外交で何とか国の存続を図ってきた。全方位外交と言っても、やり方を一つ間違えば「表裏がある」と斬り捨てられる時代。常に最新の情報を手に入れ、正しく分析できなければいけない。物見がどんなに優れていて先を見通しても、そこで得た情報を正しく理解して活用しなければ意味はない。

「鯨のくる城」。『巨鯨の海』でも太地かに伊豆に行く話があったと思うが、こちらはその伊豆の話。そういうことかと思ったら、やっぱりそういう話。「刀は鈍いように見せておかねばならぬ。いざという時にだけ、その切れ味を見せればよい」という、後の江雪の話と同じようなエピソード。鯨魚(いさな)取りの大将が格好いい。

「城を嚙ませた男」。真田昌幸の話。北条と家康に挟まれ、難しい外交の舵取りを迫られるが、奸計をもって窮地を乗り切る。『華、散りゆけど』の印象とはずいぶん違う。「謀を打つ時には、情けは禁物。天下を目指すなら、敵味方すべてを踏み石としても、我を通しなされよ」昌幸の謀略を完全なものとするため、自分の身を差し出した名胡桃城主の言葉が重い。

「江雪左文字」。少年時代の回想は、あの話かと思ったら、やっぱりあれだった。

表示が劇画タッチのイラストと英文で驚かされるが、オーソドックスな歴史小説の中にも新しさを持った──有名な人物なら一人で長編を賄えるが、傍流の人々だけに短編にならざるを得ない。しかしその短編を並べることによって、時代の流れを語るという──本作のイメージに実にマッチしている。






by non-grata | 2014-07-09 10:57 | 読書

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