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おっさんノングラータ

(B23)救援ミッションは熱い|『天使は結果オーライ』感想

アニメ『ロケット・ガール』のレビューを見ていると賛否両論あって、どちらかと言えば否定派が多い、と言うよりは否定派の声が大きくて、なかなか興味深いものがあります。人命軽視に受け取られる演出が多く不愉快極まりない、的な意見が目立ちますが、これは見てみないとわかりません。

ただ、こうした倫理観は描かれた時代の影響を大きく受けるもので、2003年のコロンビア号事故を分水嶺として、描かれ方、受け止め方が変化すると思われます。発射時に耐熱システムが損傷したことがわかりつつ、NASAが適切な対応を取らなかったことが悲惨な結果につながったことが明らかな今なら(もちろん、何もできなかった可能性もあるわけですが)、作中で管制側に安全や人命を無視するような発言や行動はさせにくいでしょう。2003年の事件を知る者が、それ以前につくられた無邪気な宇宙開発物語を読むなり見るなりすると、なるほど腹立たしく感じることもわからないでもない。

まあ倫理観云々を言い始めると、年端もいかない少年少女に世界の運命を託すのが日本のアニメや漫画やラノベのお家芸なので、今さらということになってしまいます。

そんなことより米AmazonからDVDの到着はまだか!!

(B23)救援ミッションは熱い|『天使は結果オーライ』感想_d0252390_12144340.jpg1巻はたいがい破天荒でしたが、2巻はそれに輪をかけた話です。

大気圏突入でトラブル→軌道がそれて元母校の近くに不時着→生物部の才女をスカウト→MS(ミッション・スペシャリスト)誕生→宇宙飛行訓練→初飛行でスペースシャトルとランデブー&オルフェウス(冥王星探査機)の修理……と、またも短期間のうちに話はめまぐるしく展開します。

ジャパニメーション好きのスペースシャトル搭乗員がスキンタイト宇宙服のJKを見て「エヴァみたい」とつぶやくシーンがありまして、作中の相方同様、エヴァ・ガードナーのことかと思いきや、プラグスーツを着た『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波なりアスカなりのことでしたか。本作が書かれたのはそういう時代でした。

前作同様に最後まで面白くは読めたものの、裏表紙のあらすじに書かれている「難関」が伏線となって最後の障害回避になるかと思えばその逆で、何故めでたしめでたしになったのか、ファンといえどなかなか擁護ができない結末であります。毎度人智を超えた力が働くのはよろしいとしても、精霊頼みすぎるのもいかがなものですかね。まさに「結果オーライ」!

いよいよ次の3巻で完結。何だかんだで「小さくて軽いのは正義」(解説より)の物語とお別れするのは残念ですが、その前に『リライト』から数カ月後の物語となる『リビジョン』を読むのだ。




#書評



by non-grata | 2014-05-16 13:49 | 読書

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