(B17)今年の暫定ベスト1!!|『オービタル・クラウド』感想(★★★★★)
『GeneMapper-full build-』も面白かったけれど、本作はそれをはるかに超える内容でした。
★構成がお見事 イランでお手製の小型ロケットを飛ばし、何やら実験を行う学生。商業軌道ホテル。地球に落下する小隕石に関する情報を天体観測マニアに提供する「メテオ・ニュース」。「宇宙」というキーワードでのみ結びつけられる、場所も置かれた環境もばらばらの人たちの思いと行動が、物語が進むにつれて一つに収斂されていきます。こういう展開、好きなんです。燃えます。
★何かとリアル 少しだけ先の未来の話なので、登場するガジェットが存在感を持っています。メガネ型のウェアラブルな端末なんて5年前なら「中二病的な」と形容されそうですが、実用化されていますもんね。敵も味方もスマートフォンが最大の武器というのも納得。
小型軽量高性能省電力CPUならああいう使い方もできるし、(原理はわからないけれど)並列処理させれば安価なスパコンになるわけですね。騙されているかもしれないけれど、大いに納得させられます。
★天才ハッカーの名が「アカリ」 『キャプテン・アース』と一緒じゃないですか! 髪の毛の色もオレンジ色だし……というのは関係ないですね。カズミ君もアカリさんも極めて優秀なのにwebの請け負い屋をしていて、しかも日本を向いて仕事をしていないところにリアルを、あるいは近い将来のリアルを感じてしまいます。
★ミステリとしても秀逸 イランから打ち上げられたロケット。それ自体におかしなところはないのですが、切り離されて地表に落下するはずの2段目のボディが落ちてこない。いやわずかに高度を上げている。これは一体? というところから物語は始まります。もしやこれは「神の杖」では?
本筋とは関係ないところでNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)の迎撃作戦が展開されるのですが、これがまた熱い。イーグル(F-15)マニアは胸が熱くなること請け合いです。
★問題提起も興味深い こんな場末のブログを読んでいる人もそうそういないと思いますが、本書は先入観なしで読んでもらいたいので、ストーリーの展開に関わることには触れません。エンターテインメントとして楽しめるだけではなく、組織論や危機管理、果てはこれからのビジネスの在り方についてまで、いろいろと考えさせられます。
序盤で明かされるキーワードの一つなので問題ないでしょう、テザー推進が物語の重要な鍵となります。これが敵に回ると厄介な存在になるのですが、対策が見つかった時、新たな可能性へと「跳躍」します。結末へと向かう怒濤の展開は鳥肌ものです。
昨年末に観た『ゼロ・グラビティ』もたいへん面白いSF作品でしたが、本作も予算かけて映像化してくれませんかね。
★構成がお見事 イランでお手製の小型ロケットを飛ばし、何やら実験を行う学生。商業軌道ホテル。地球に落下する小隕石に関する情報を天体観測マニアに提供する「メテオ・ニュース」。「宇宙」というキーワードでのみ結びつけられる、場所も置かれた環境もばらばらの人たちの思いと行動が、物語が進むにつれて一つに収斂されていきます。こういう展開、好きなんです。燃えます。
★何かとリアル 少しだけ先の未来の話なので、登場するガジェットが存在感を持っています。メガネ型のウェアラブルな端末なんて5年前なら「中二病的な」と形容されそうですが、実用化されていますもんね。敵も味方もスマートフォンが最大の武器というのも納得。
小型軽量高性能省電力CPUならああいう使い方もできるし、(原理はわからないけれど)並列処理させれば安価なスパコンになるわけですね。騙されているかもしれないけれど、大いに納得させられます。
★天才ハッカーの名が「アカリ」 『キャプテン・アース』と一緒じゃないですか! 髪の毛の色もオレンジ色だし……というのは関係ないですね。カズミ君もアカリさんも極めて優秀なのにwebの請け負い屋をしていて、しかも日本を向いて仕事をしていないところにリアルを、あるいは近い将来のリアルを感じてしまいます。
★ミステリとしても秀逸 イランから打ち上げられたロケット。それ自体におかしなところはないのですが、切り離されて地表に落下するはずの2段目のボディが落ちてこない。いやわずかに高度を上げている。これは一体? というところから物語は始まります。もしやこれは「神の杖」では?
本筋とは関係ないところでNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)の迎撃作戦が展開されるのですが、これがまた熱い。イーグル(F-15)マニアは胸が熱くなること請け合いです。
★問題提起も興味深い こんな場末のブログを読んでいる人もそうそういないと思いますが、本書は先入観なしで読んでもらいたいので、ストーリーの展開に関わることには触れません。エンターテインメントとして楽しめるだけではなく、組織論や危機管理、果てはこれからのビジネスの在り方についてまで、いろいろと考えさせられます。
序盤で明かされるキーワードの一つなので問題ないでしょう、テザー推進が物語の重要な鍵となります。これが敵に回ると厄介な存在になるのですが、対策が見つかった時、新たな可能性へと「跳躍」します。結末へと向かう怒濤の展開は鳥肌ものです。
昨年末に観た『ゼロ・グラビティ』もたいへん面白いSF作品でしたが、本作も予算かけて映像化してくれませんかね。
by non-grata
| 2014-04-25 16:20
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