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おっさんノングラータ

誰に向けて旗を掲げれば?|迫りくる日中冷戦の時代

誰に向けて旗を掲げれば?|迫りくる日中冷戦の時代_d0252390_10335827.gif尖閣問題で日中間の緊張が高まっている中、たいへんタイムリーなテーマの新書が出版されていた。2010年のメドヴェージェフ国後上陸/尖閣事件と、今年のメドヴェージェフ国後上陸/李明博竹島上陸/尖閣事件をもとに日中の対立構造を解説し、冷戦の時代が訪れる、いや冷戦構造はそもそも終わってはおらず、性質を変えて存続しているのだと主張する。

行き過ぎたグローバル化はナショナリズムの台頭を招くので、日中韓を中心とする東アジア経済圏は幻想。EUの惨状を見ればわかるだろう。いやいや既に日中の経済的な結びつきは強く、お互い切っても切れないパートナーではないか、との疑義には、第一次世界大戦前夜のドイツとイギリスを例に挙げる。イギリスはドイツから工業機械や農産物を大量に輸入していたし、金融面でも結びつきが強かった。にもかかわらず、両国はあっさり戦争に突入したではないか。

時代は変わった? いやいや中国という国は変わらない。1989年に天安門事件を起こし、1996年には台湾総統選を牽制するために台湾海峡にミサイルを放ち、2010年には尖閣事件を起こしているのだ。身近なところでも、2010年の毒入り餃子事件とノーベル平和賞妨害事件は記憶に新しく、今年に入ってからもスパイ疑惑で大騒ぎになった。ああ、北京オリンピックの「口パク」や「CG花火」、事故車両を埋めて隠そうとした高速鉄道事故もあった。

こんな無法国家とつき合い続けられるわけない、冷戦だ! というわけだ。

では、不可避である日中冷戦の対策は何か? 著者が以前から主張している憲法改正と核武装、それから日米同盟の強化ということになる。スパイ防止法も有効だ。しかし、それらを実行するまでには時間がかかる。そこで有効なのは、中国の非道を、日本の正当性を喧伝していくことである。副題にある「日本は大義の旗を掲げよ」である。

うん、まあ、それしかないか。右翼の論客に、左翼的な言葉で締められたので肩すかしを食らった印象を受けた。中国民のモラルに訴えかけろという、『中国化する日本』で掲げられた対中政策に似ていなくもないのがまた何とも楽しい。






by non-grata | 2012-10-17 11:22 | 読書

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