おっさんノングラータ

(B40)大阪ノワール|『破門』(黒川博行)感想

FBでDN-01の会に入り、日本だとGIVI箱ないんですよねー、と書いたら、早速「イタリアに直で注文すればいいじゃん」とのお答えが。それは検討したんですが、欧州仕様と日本仕様でDN-01のサイズが違うたら何たらで、そのままは取り付けられないと言われたんですよね。どうしたものか。




d0252390_14312724.jpgクライム・ノベルだが、主要登場人物が揃いも揃ってクズで楽しい。アラフォーで勤労意欲も貯金もなしの主人公、凶暴だが計算高いヤクザ、若い女に入れ上げて借金を抱え、あげく極道とつるんで映画制作詐欺を画策したプロデューサー。シノギのために皆必死だが、過てる方向に努力しているのがおかしい。二宮と桑原のやり取りはドツキ漫才のようだけれど、大阪ではこれが普通の会話だったりするんですよね。ああそうか、これは(映画じゃないけど)「大阪ノワール」だ。

今回は舞台が生活圏だったり、この前走ったしまなみ海道だったりで、何かと身近に感じられた。黒川博行の作品は久しぶりに読んだが(そしてこのシリーズは初めて読んだが)やっぱり面白い。フィルム・ノワールの倦怠感とは違うねっとりした空気感がたまらない。けれど続けて読むのは心の健康に悪いような気がするので、合間合間に読んでいこう。

ネイティブの関西弁使える役者で映画化希望!



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# by non-grata | 2014-08-02 14:38 | 読書

(B38)(B39)『心を奮い立たせる『仁義なき戦い』の名セリフ 』山平重樹&『はぐれ雀』中嶋隆

久々に「読書メーター」復活させてみた。およそ3年ぶりの再開。




d0252390_17445698.jpg『仁義なき戦い』シリーズ入門者向けガイドブック。同作は「広島弁のシェイクスピア」と称されるほど名台詞に事欠かないが、本書はその代表的なところを紹介/解説してくれるとともに、小ネタを多数提供してくれる。『仁義なき戦い 浪漫アルバム』ほどディープではないが、新しい発見もあり、読後、あらためて『仁義なき戦い』を観たくなった。

ディープな人には物足りないだろうし、『仁義なき戦い』を知らない人にはヒットしない本。ということで、おっさんのように『仁義なき戦い』を観たことがあって、しかも面白く感じていたけれどだいぶディテールを忘れてしまったという人が本書を読み、思い出したり、再び興味を持ってDVD(持っているのだ、これが)を見ようと思ったりする助けとなる本なんだろうなあ。見なきゃ(使命感)。




d0252390_17482815.jpg『廓の与右衛門 控え帳』にも島原絡みのエピソードがありましたが、なるほど、こう発展するか。島原の乱で難を逃れた二人の女性──一人は文禄・慶長の役でさらわれた朝鮮人、もう一人はキリシタン大名の血を引く少女──のその後の物語。正義の反対は別の正義であり、自分の行為こそが正義だと主張する危うさを教えてくれる。一気読み不可避。

いやほんとに面白い一冊。「あんたの神さんは、食わせてくれはるのかい」「ほな、ええ神はんや」は名言。「良かれと思ってしたことでも、必ずそれを悲しむ者がいる。それが人の営みだ」もぐっとくる。宗教や政治の大義名分は悲劇を生むということを忘れてはならない。良書。

作者は学者肌の人らしく、文体は抑制されているけれど胸を打つ内容。



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# by non-grata | 2014-08-01 17:54 | 読書

(M18)(M19)『グランド・ブダペスト・ホテル』と『青天の霹靂』

観たけれど、記録していなかった2作品。

グランド・ブダペスト・ホテル』は台湾からの帰りの飛行機の中で途中まで観て、最後まで観たかったけれど体調不良により挫折。地味な映画だから梅田で単館公開かと思ったら、近所の映画館で上映してくれたので助かった。やるじゃん、MOVIX八尾!

東欧の架空の小国ズブロフカを舞台にした話だが、よくよく考えるとファシズムの台頭と戦後の赤禍に翻弄されたルーマニアの話じゃなかろうか。あるいは素直にハンガリーかもしれない。現代/1960年代/1930年代に焦点が当てられているしね。ホラ話かと思ったら、最初と最後に出てくる「鍵」で実話だったんですよ──舞台と年号はごまかしているけれど、映画で描かれたような話は現実にあったんですよと最後に明かされる。面白くないこともなかったが、救われない話。映像が印象的だった。

青天の霹靂』。事前情報なしで観たが(正確には途中で予告を見たことを思い出したけれど)、よくできた映画だった。深夜番組で劇団ひとりをちょくちょく見かけ、「ゴッドタン キス我慢選手権」には大いに笑わされた(あれ、映画になったんですよね。いろいろすごい)。芸達者な人が全力で泣かせにくるんだから、そりゃあ泣かされるわな! 大泉洋も良かった。

最近の邦画に多い、何でもかんでもナレーションで説明するというのではなく、役者の演技で語らせるというのが良かった。柴咲コウってこんなに可愛かったんだ!



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# by non-grata | 2014-07-30 12:02 | 映画

(M17)体調崩すほどつまらない?|『GODZILLA ゴジラ』感想

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土用の丑も近いということで、セブンイレブンで「にょろ〜り う〜なぎチョコパン」を食べてきました。r12〜R165〜R169〜R24〜R370〜R309〜r30〜R166、という、早朝お散歩コースの途中、飛鳥駅近くのセブンイレブンにて。
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DN-01に乗った後だと、こいつの軽さがよくわかる。品質面でいろいろ言われるDUKE125ですが、今のところ異常なし。




d0252390_1322156.jpg特にゴジラ映画に思い入れがあるわけでなく、1954年版『ゴジラ』を神格化しているわけでもなく、1998年版『GODZILLA』が嫌いでもない人間が、『GODZILLA ゴジラ』を観に行った。以下、ネタバレあり。

1954年版『ゴジラ』のリメイクではなく、「ゴジラ vs 怪獣」の系譜に当たる作品だった。日経新聞の映画評で気づいておくべきだったが──一読した時は「何てネタバレを!」と怒ったものだが、怪獣映画に興味がない人はこのレビューで危機を回避できたのだ。実は親切なレビューだったのだ──、読んだのはチケットを確保した後だったのだ。

予告だけの印象では、出てくる怪獣はゴジラだけ。60年ぶりのリメイクということで、また日本が54年の映画公開後に三度目となる放射線の恐怖を味わったことで、それなりの内容になっていると期待させられた。もちろん期待するのは観客の勝手なので、その意味でこの予告編はよくできていたと言える。

面白かったのは、ビキニ環礁の水爆実験で的にされた空母〈サラトガ〉だが、実はゴジラを追い詰めるために使われた(らしい)こと、そして6代目〈サラトガ〉が現代のゴジラ追跡に投入されたという因縁。実艦は94年に退役、間もなくスクラップになるという。

「怪獣映画としては面白かった」という意見をネット上で見かけたし、一緒に観た人もそう言っていたから、きっとそうなんだろう。怪獣映画を期待していなかった者としては、夫が眼前で奥さんを亡くすシーンの演出の古臭さに驚かされ、その夫(原発の技師)がストーリーにもっと関わってくるのかと思えばそうではなく、15年後に息子が父親の立場となった時、同じような状況に陥るのに奥さんを助け出す、というカタルシスもない。このできの悪いエピソードが、ゴジラ映画のどれかにあった何かのオマージュだったら、そういうことなんだろうが。渡辺謙とそのアシスタント(?)の存在感のなさにも驚かされる。

対怪獣戦の描写も雑。敵を誘引するため核ミサイルをサン・フランシスコに運ぼうとするが、航空機は敵が放つ電磁パルスの影響で接近できない。そこで列車で運ぶことになるが、あっさり敵に破壊される。ミサイルは無事だが、何故か敵は手を出さない(敵を誘引するためのものじゃなかったの?)。結局、ミサイルはヘリで運ばれることになるが、えーと、電磁パルスの影響は? フレームに収まりきらないから米海軍の軍艦がゴジラに超接近して航行するのは仕方がないとして、敵が電磁パルスを放つとわかっていながら戦闘機による近接攻撃を試みて、ばたばた撃墜されるのってどういうこと? 主人公が爆弾処理のエキスパートなのに、最後、核ミサイルが無駄に爆発するってあり?

早々と続編が決まったそうで、海上映画好きには朗報なんじゃないですかね。映画の途中から、ワシントン・ポストの記事「マイケル・ベイ(と中国人)がハリウッドのコメディ映画を抹殺」が頭の中を支配するようになり、公開が終わる前に『her/世界でひとつの彼女』を観に行こう、と心に決めたのだった。



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# by non-grata | 2014-07-28 14:18 | 映画

(B37)相対評価は永遠に不幸せ|『女の子は、明日も』(飛鳥井千砂)感想

マクド/ファミマで使われていた中華腐肉が話題ですが。

以前、川根町を旅行した時、道の駅っぽいところでお土産を買ったわけです。ちゃんと調べなかったこちらも悪いんですが、お茶漬けの素なら地元産に違いないと思い込んで。商品ラベルの「販売者」が地元だったから大丈夫ではないかと。ところが別の地域の土産物屋で同じ商品がありましてね。やっぱり「販売者」はその地域の地元。

食品表示に製造者の表示義務はないそうで、以来、商品ラベルをチェックするようになりました。そうすると、いかにも地元産を唱っていながら、製造者表示があるもののほうが少ないことがわかります。滅多なことはないとは思いますが、「原材料の生産地から加工、物流、お店の商品にいたるまでの全工程において、世界中のマクドナルドが協力して取り組んでいるマクドナルドグローバル基準と日本の法律・ガイドラインに従った厳しい管理をしてい」るはずのマクドが腐肉売るくらいだから、製造者表示がないものは敬遠したほうが無難でしょう。




d0252390_15294281.jpg高校の同級生4人が14年後に再開し、定期的に食事会を開くようになる。1人は歳の離れた勤務医と結婚した専業主婦。1人は結婚後も雑誌編集者として活躍するキャリア・ウーマン。1人は婚活パーティーで出会った相手と結婚し、マッサージ店で働いている。そして帰国子女だった1人は翻訳家として大成、グラフィック・デザイナーの夫と暮らしている。4人に共通しているのは結婚していること、そして今現在は子どもがいないこと。1人1人に焦点を当て、物語は進行していく。

各人に共通しているのは、相対的な価値に悩まされていること。これはもう誰だってそうで、物事の評価をする時、何かと比較をするのが一番簡単だから仕方がない。「この人と比べれば自分は幸せ」「あの人は何でも持っているのに何も持っていない自分は不幸せ」といった具合。しかし「他人の幸福を羨んではいけない。 なぜならあなたは、彼の密かな悲しみを知らないのだから」というダンデミスの言葉は正しい。4人はそれぞれ別種の悲しみを抱えている。

4人とも、幸せは相対的な価値観では測れないことに気づかされる。全てのエピソードに胸を打たれるのは、読んでいるのが既婚の男性だからか。いやいや性別に関係なく、幸せとは何か、他人と家族になるとは何かを考えさせてくれる良書である。



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# by non-grata | 2014-07-25 15:53 | 読書

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