おっさんノングラータ

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答えはありません|ユーロ危機で日本はどうなるのか

d0252390_9522926.jpg行き過ぎたグローバリズムはナショナリズムに結びつくと、『静かなる大恐慌』で解説されおり、その好例としてユーロにおけるギリシアがあげられていた。緊縮財政なんてとんでもない、内政干渉されるくらいならユーロから離脱するもんね。ドラクマ復活の時間だー。

いやいやちょっと待った。そもそもユーロは、欧州統一は、「国内的に不人気な、経済活性化政策を、民氏主義のもとでどうやって実行するか」が目的であったはずだ。本来はもっと早く、痛みを伴う改革を行うべきだったのだ。この反省を踏まえて今、ユーロ加盟国ではガバナンスの改革が断行され、内政干渉が可能な体制がつくられつつある。

という序章に始まり、ユーロ設立から危機に至るまでの経緯、ユーロ危機が世界に及ぼす影響が解説され、最後に日本との関わりで締められている。

イギリスは自前で「国内的に不人気な」政策をとれるからユーロに加盟する必要はない。翻って日本はどうか。今のところイギリスになれそうもないし、アジアでユーロのような共同体がつくられるとは思えない。そうなると、著者の言う「活気のない経済の恐ろしさ」から逃れられないかもしれない。歴史的に見て、市場の調整段階で危機が訪れるのは仕方がないとして、「誰もが喜んで買うような製品・サービスを生産していれば」、そこから収益を上げて債務を返済していき、やがて経済は息を吹き返すはずだが。

そこで大事なのは、日本企業が高い生産性やサービスを生み出せる環境を整備すること。またそれが可能な政権を選挙で選出できるかどうかにかかっている。しかし、俄然ポピュリズムが勢いを増しており、週刊朝日の壮絶な自爆が一部の層にとってブースター的に作用しかねない現状では、次の選挙で民主惨敗、自民辛勝、第三極辛勝なんてことになりかねず、そうなると日本経済の冷温停止待ったなしてはなかろうか。



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by non-grata | 2012-10-31 11:16 | 読書

初見さんお断り!?|009 RE:CYBORG

d0252390_1636714.jpg『希望の国』に『アルゴ』と、観たい映画は他にもあったのだが、つき合いで『009 RE:CYBORG』を観ることに。『サイボーグ009』は知識としては知っていてもちゃんとは見ていない/読んでおらず、悪の組織によってサイボーグに改造された9人が、ギルモア博士とともに謀反を起こして地球平和のために戦うという基礎の基礎しかわかっていない状態で鑑賞した。

映画の後でカラオケ・ボックスに行き、一人が「誰がために」を熱唱したが、そこで流れた映像がどうも「神々の闘い」編らしい(と、別の一人に教えてもらった)。「ブラックゴースト団を倒した後、サイボーグ戦士たちは神話世界で戦ったんだよ、確か。ああほらほらこのシーン、ここで神が現れて全て終わらせてしまう」とか何とか。いやはや、そんな壮大な話だったとは! 事前に下調べしておくべきだった。

後で読んで参考になったのは、
現代とリンクした「009」を作った――『009 RE:CYBORG』神山健治監督に聞く
サイボーグ009 エッダ[北欧神話]編
リンク先の記事2本。

原作の[北欧神話]編では、人類は超古代文明を持ちながら、その進むべき方向を誤ったのだとされている。本作でも、「彼の声」は人類の歴史は過てる方向に進んでおり、リセットすべきだと語りかける。そうして世界中の高層建築物をターゲットにした連続自爆テロが発生するのだ。いや自爆テロに留まらない。「彼の声」に命じられるまま、巡航ミサイルや弾道核ミサイルまで発射される。

しかし、果たしてそうか? 人間は完全な存在でないから、間違いを犯すかもしれない。けれども完全でないからこそ、完成していないからこそ、常に可能性が残されているのではないか。009こと島村ジョーはその可能性に賭けた。来世の幸福を夢見て「神の声」に従って自爆テロを実行する人間と、人間の可能性を信じて「彼の声」に抗ったサイボーグ。記憶を失い、普通の高校生として生活していた彼もまた、自爆テロで六本木ヒルズ(?)を吹き飛ばす寸前までいったことを思うと、その対比は実に興味深い。

敵は「神」なのか。神は存在するのか。ドバイで核攻撃に巻き込まれた009のもとに、少女の姿をした天使が舞い降りて言う。「神は乗り越えられない試練は与えない」と。だとすると敵は……。

天使の化石や天国(?)など、ちょっと反芻しただけではわからない謎が残されている。やはり下調べをしてから観るべきだった──あるいはもう一度観るべきか。今度は3D版で。



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by non-grata | 2012-10-29 18:23 | 映画

書き言葉に揺らぎは必要か|百年前の日本語

d0252390_18533919.jpg作家の丸谷才一氏が亡くなったのは2週間ほど前のこと。氏の日本語表記の方法は独特で、いや発音と表記、意味と表記のねじれを正した仮名遣いこそが正しいのであり、美しかった。あの美文がもう読めなくなるのは残念至極。初めて読んだのはエッセイだったが、その独特な言い回しにすっかり魅了された。

書籍として発行するなら、大新聞で見られるような標準的な言い回しを使わなければならないのではないかと、最初は子供のような意見を持ちもしたが、読み進めるうちに氏の仮名遣いのほうが正しいことに気づく。美しいものは正しい。『日本語のために』を読んで、さらにその思いを強くした。

書き言葉の標準化の歴史はこの100年のことだそうで、本書では夏目漱石自筆の原稿や新聞、辞書など実例をあげながら詳しく解説してくれる。例えば「実」と「實」、「対」と「對」など、新字体と旧字体が混じっていたり、外来語である「ハンカチ」に漢語なら「しゅきん」、和語なら「てぬぐい」となる「手巾」を当てたり、「幸福」という漢字に和語「さいわい」と振り仮名を振ったり、実に揺れ幅が大きかった。その幅が次第に狭まっていく様を丁寧に解説してくれる。あまりに丁寧すぎて、恥ずかしながら何度も睡魔に襲われた。

新聞にしろ公文書にしろ、書く側も読む側も標準化されているほうが面倒はない。効率的に国民の教育水準を引き上げて国力を上げるのにも有効だ。国語が標準化されてこそ辞書も編纂できるし、外国語の翻訳もフォーマット化できる。富国強兵、脱亜入欧を掲げる明治政府にとっては、書き言葉の標準化は自然の流れだったのだろう。

反面、面白みがなくなったのも事実かもしれないが、漱石の手書き原稿と新聞掲載時、単行本収録時の表記の違いに時代背景を感じたり、日本語の変化を読み取る面白さは、歴史の連続性を俯瞰できる100年後の今だからこそわかることで、その時点では大事(おおごと)ではなかったのかもしれない。大事(だいじ)なのは100年の標準化が行き着く先で、著者が「おわりに」で書いている通り、常用漢字表の「ルールに従って教育が行われ、「公」性のたかい文書が作成されることは確かであって、決められたルールは日本語全体のあり方に影響を与えることも確かなことである。したがって、稿者としては、もしも『書きことば』に関わるルールを決めようとするのであれば、せっかくの取り決めは筋の通った、一貫した表記システムの確立に資するものであってほしいと願うだけである」。

しかし標準化の反動からか、子供の名付けにおいては実に揺らぎが大きい。いわゆるDQNネーム。揺らぎが大きいぶん、不幸(ハードラック)と踊(ダンス)っちまう確率が高いのかしら。不幸な事件や事故に巻き込まれた子供の名前が報じられるたび、ついそう思ってしまう。

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by non-grata | 2012-10-25 09:22 | 読書

大阪と広島どっちのお好み焼きが美味い

大阪と広島どっちのお好み焼きが美味い(via お料理速報

美味しければどちらでも。
自宅から一駅ほど歩いたところに「だるまや」というお好み焼きの一大勢力があって、日曜日の昼食に、お好み焼きと串揚げ、ビールなどをいただいた。豚玉が330円、串は30円から(5本単位)という破格のお値段。ビール含めて二人で2,000円も食べれば満足できるという、地元に愛される店だ。

往々にして、粉もんはこういう町の中の店が美味しいのだが、いかんせん広島から離れてずいぶん経ち、町の様子もすっかり変わっているので土地勘が働かない。子供の頃はどこにでも「だるまや」のような安くて美味しい店があったのに。

久々に帰った広島で、うっかり食べたうずしおのことは忘れられない。どうか被害者が増えませんように。



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by non-grata | 2012-10-24 08:17 | チラ裏

非現実さが心地よい|ばくおん!!2巻

d0252390_9288100.jpg『けいおん!』のパクリだのと批判的な意見も目立つ『ばくおん!!』だが、四半世紀前からバイクに乗っているおっさんにとって、十分面白い作品だ。パクリと言っても「共通の趣味を持つ女子高生の日常」なのが同じであって(キャラクターの造形が似ているのかどうかは『けいおん!』を知らないので言及しかねる)、恐らく作品の質は大きく異なる。『けいおん!』のファンは男女比6:4らしいが、こちらは10:0ではないかと思われるくらい、限定された対象に向けたネタが多い。バイクに乗る家人も、読みはするがそれほど面白いとは思っていないようだ。

バイクに乗ってツーリングしていると共感できるネタ(ロマンでもなんでもない、眠くなる→コーヒー→トイレ→眠くなる……という魔のローテーションや北海道のセイコーマートの話)やレーサーレプリカ全盛期を知る者にしか通じないネタ(カワサキの微妙バイク)など、バイクを知らない人にバイクの楽しさを知ってもらおうというよりは、わかっている人にだけにんまり笑ってもらおうというスタンス。それでも、何が何だかわからないけど面白そうと思えるのなら、バイク初心者の主人公のように、自分なりのバイクの楽しみ方を、この作品のどこかで見つけられるかもしれない。

そうそう、現役の人はスズキ、ヤマハの掛け合いを楽しみ、カワサキ者は来夢先輩に共感するといった、自分とバイクの関わりに応じた楽しみ方ができるのが『ばくおん!!』の魅力だ。もちろん、そんな女子高生は日本中どこを探してもいないと思うが、だからこそおっさんもその非現実性を安心して受け入れられるのである。

しかし、散々ドゥカティ乗りがネタにされるが、Multi Strada 1000DSを愛車にしている者から言わせてもらえば「ドゥカティは壊れません!(雨に濡れると電装系がやられてエンジンかからなくなるけどね)」



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by non-grata | 2012-10-22 10:03 | アニメ・漫画

電飾してみたり| 日米共演!最強の艦艇コレクション

結局、〈みょうこう〉と〈たかなみ〉〈あきづき〉〈フリーダム〉の4隻を購入。冷蔵庫にはコーヒーが3本まだ残っているので自主的に打ち止めにした。
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〈みょうこう〉は有名な写真を模して飾ってみたり。ダイソーで買ってもらった綿がどうにもいかんなあ。
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LEDでミサイルの噴射炎が光る。ちなみにケースもダイソーのもの(多分)。何故か3個ストックがあったので、〈たかなみ〉と〈あきづき〉は並んで停泊している簡易ジオラマにしよう。



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by non-grata | 2012-10-18 09:11 | チラ裏

誰に向けて旗を掲げれば?|迫りくる日中冷戦の時代

d0252390_10335827.gif尖閣問題で日中間の緊張が高まっている中、たいへんタイムリーなテーマの新書が出版されていた。2010年のメドヴェージェフ国後上陸/尖閣事件と、今年のメドヴェージェフ国後上陸/李明博竹島上陸/尖閣事件をもとに日中の対立構造を解説し、冷戦の時代が訪れる、いや冷戦構造はそもそも終わってはおらず、性質を変えて存続しているのだと主張する。

行き過ぎたグローバル化はナショナリズムの台頭を招くので、日中韓を中心とする東アジア経済圏は幻想。EUの惨状を見ればわかるだろう。いやいや既に日中の経済的な結びつきは強く、お互い切っても切れないパートナーではないか、との疑義には、第一次世界大戦前夜のドイツとイギリスを例に挙げる。イギリスはドイツから工業機械や農産物を大量に輸入していたし、金融面でも結びつきが強かった。にもかかわらず、両国はあっさり戦争に突入したではないか。

時代は変わった? いやいや中国という国は変わらない。1989年に天安門事件を起こし、1996年には台湾総統選を牽制するために台湾海峡にミサイルを放ち、2010年には尖閣事件を起こしているのだ。身近なところでも、2010年の毒入り餃子事件とノーベル平和賞妨害事件は記憶に新しく、今年に入ってからもスパイ疑惑で大騒ぎになった。ああ、北京オリンピックの「口パク」や「CG花火」、事故車両を埋めて隠そうとした高速鉄道事故もあった。

こんな無法国家とつき合い続けられるわけない、冷戦だ! というわけだ。

では、不可避である日中冷戦の対策は何か? 著者が以前から主張している憲法改正と核武装、それから日米同盟の強化ということになる。スパイ防止法も有効だ。しかし、それらを実行するまでには時間がかかる。そこで有効なのは、中国の非道を、日本の正当性を喧伝していくことである。副題にある「日本は大義の旗を掲げよ」である。

うん、まあ、それしかないか。右翼の論客に、左翼的な言葉で締められたので肩すかしを食らった印象を受けた。中国民のモラルに訴えかけろという、『中国化する日本』で掲げられた対中政策に似ていなくもないのがまた何とも楽しい。



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by non-grata | 2012-10-17 11:22 | 読書

『ヤマト2199』が面白すぎて生きるのが辛い|宇宙戦艦ヤマト2199第三章「果てしなき航海」

d0252390_8381984.jpg第二章では、地球圏脱出から冥王星基地攻略という一連のエピソードが描かれたが、第三章では独立した三つの物語が綴られる。ちょうど、テレビ・シリーズの3回放映分といった趣だった。戦闘シーンは少なかったが、そのぶん、ヤマト艦内とガミラス帝国それぞれの日常風景や内幕が描かれていてお腹一杯。乗組員たちも、70年代の純朴な若者ではなく、21世紀の若者然としており、観ていてなんだか微笑ましい。

太陽系赤道祭と地球との最後の通信は、艦長が未成年の古代に飲酒を勧める代わりに、機関長が艦長を慮って艦長室にやってくる。その件で号泣。古代や山本など、身寄りのない者たちが実に自然に、気取ることなく船外修理に従事するクルーと作業を交代し、最後の通信の機会を与えるところもぐっとくる。作業のため、「お肌のふれあい会話」をする古代と山本を展望室から眺める森、その森を追いかける南部。加藤を気遣う篠原(ここでまた男泣き)、恐らく最後4秒までずっと無言だった加藤(父)など(ここで男泣きせずにどうする!?)、抜群の掴みだった。「真っ赤なスカーフ」でまたまた落涙。

一転、エンケラドゥスで鹵獲したガミラスのロボット兵とアナライザーとの交流はオリジナル・エピソードなれど、『機動戦士ガンダム』で言うところの「ククルス・ドアンの島」のような泡沫ストーリーではなく、もしかするとメイン・ストリームに関わってくる伏線となるかもしれない。劇中作『観測員9号』の章題はSF小説のタイトルに由来するが、その分析は詳しい方にお任せするとして、ロボットが意思を持つのかどうかという命題は、数多のSF作品でも取り上げられてきたことである。これはエイリアン(外国人含む)といかに向き合うか、という問題にも通底する。

第10話ではガミラスとの共闘が発生する。正確にはザルツ人艦長のラングとだが、約束を違えてもヤマトをサルガッソーに放置しようとする親衛隊将校(「SS」の襟章つき)と対立する姿勢は、ナチズムから距離を置き、騎士道精神を重んじたドイツ装甲艦〈アドミラル・グラフ・シュペー〉艦長ラングスドルフ大佐を彷彿させる。〈アドミラル・グラフ・シュペー〉は乗員を陸揚げした上で自沈し、ラングスドルフ艦長はドイツ帝国時代の艦長服に身を包んで自決した。ヤマトへの射線上に位置したため、ゲール艦隊に「誤射」されたが、ラングもまた、誇りを大事にしたがゆえの自決だった(男泣き)。

さて、功を焦ったゲールの無策のせいで、艦隊司令官の娘であり、エース・パイロットが一人、ヤマト艦内に取り残されることとなった。ヤマトのクルーは果たして、オートマタ同様にガミラス人と心を通わせることになるのか?* イズモ計画は生きているのか? ドメルとはどんな戦いを見せてくれるのか? 若本艦隊司令の活躍は? とりあえず、来年1月までは死ねないな。

* 劇場で買ったBDを見直して気づいたが、アナライザーとガミロノイドは「犬」「猫」を認識することで理解させようとしたのに対し、次の話では、山本と通信員として送られたガミラスのパイロットが「キャットファイト」をして、(恐らくその次では)「ドッグファイト」を行うという、拳を交えて互いを理解しようとする対比が面白い。



それでもって、上映後はおっさん&おばさんおねえさん方と打ち上げ。この日のために「ヤマト2199」(バンダイ1/1000)を完成させたかったけれど船体のみ間に合った。ダイソーで買ったLEDランプをばらして、色が変化するLEDは艦橋に、波動砲と波動エンジンはそれぞれ青、赤のLEDを積んで、格納庫に収めたバッテリー&スイッチに接続してある。
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スナップフィットはいいが、とにかく隙間が空くので、ちゃんと作りたい人は大変。



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by non-grata | 2012-10-16 09:51 | 映画

永遠のコンテンツ、になるのか|劇場版魔法少女まどか☆マギカ〔後編〕永遠の物語

d0252390_921309.jpg総集編だった前編に対して、後編で何かしかけてくるかと期待したが、後編も総集編だった。もちろん新規カットが散見され、見つけるたびに小さな喜びはあったし、泣きどころではまた泣かされるしで、楽しめなかったと言えば嘘になるが、期待したほどではなかったというのが正直な感想。

特に恐らく多くの人が不満に感じただろう「コネクト」の扱い。あれはテレビ放映だからできた演出の妙だと再認識させられたが、せめて「ルミナス」を無理に使わなくても「コネクト」まで引っ張ってきてからオープニング、というわけにはいかなかったのだろうか。いかなかったんだろうなあ。

「映画ならでは」の良さが感じられなかったぶん、「シリアルなテレビ放映ならでは」の面白さが際立ってしまったが、それだけ元の完成度が高かったということだろう。最初から映画としてつくられる、2013年公開予定の「新章:叛逆の物語」に期待したい。

テレビ版と異なった点と言えば、歴代の魔法少女(これにはアンネ・フランクやジャンヌ・ダルク、卑弥呼にクレオパトラが含まれる)が斃れる直前のソウルジェムに、先達の魔法少女の姿が映し出されていたこと。これは魔法少女の系譜を描く単なる演出だったのか、それとも新章につながる伏線となるのか。

以下、蛇足。最高齢の観客であることを覚悟して観に行ったが、はるかにご高齢の夫婦がご覧になっていた。TOFOシネマズなんば、初日2回目の上映。ネットで事前予約しないとチケットは確保できないはずだから、ふらりと立ち寄ったわけではあるまい。是非感想をうかがいたいものである。



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by non-grata | 2012-10-15 10:02 | 映画

湿地

d0252390_105211.jpg訳者あとがきにある「どこかの国を知りたかったら、ミステリ小説を読めばいい」とはイアン・ランキンの言葉だそうだが、まさにその通りで、『湿地』を読んでアイスランドが少し身近に感じられた。北欧ミステリに共通する暗さと悪天候。こちらの場合は雨、雨、雨。タイトルにもなっている湿地もまた、陰鬱な気分に拍車をかけてくれる。

どこかで似たような話を読んだと思ったら、『ミレニアム』シリーズ。スウェーデンは、女性の社会進出が進んでいる(と聞く)北欧なのに、女性に対する性暴力が、人口の割合に対して多いそうだ。血縁へのこだわりや、それに関連して時間に対する興味そう。『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』で、作者が、北欧の人間は冬になると家に閉じ込められるので、どうしても自分を見つめ直す時間が多くなると語っていたが、空間的制約によって衝動が時間に向かうのかもしれない。本作も、アイスランドという限定された空間が舞台だが、時間的な飛躍が物語に奥行きを与えている。

発端は一人の老人の死。ありきたりな物取りの犯行かと思われたが、犯行現場に謎めいたメッセージと、被害者が墓石の写真を隠すようにしまい込んでいたことを不審に思った犯罪捜査官が真相に迫っていく。

ど直球の警察小説として楽しめるのはもちろん、謎解きものとしても面白く、またそれが娘とのサイド・ストーリーとも絡んでくる。しかし事件が解決しても青空は見えてこない。『プロメテウス』冒頭の空のような鉛色だ。それは主人公の生真面目さによるのかもしれない。「しまいには悪事と悲惨さが当たり前になって、普通の人間がどんな暮らしをしているのかを忘れてしまうんだ。今度の事件はそういうたちのものだ。しまいにはおれ自身、数多の中を勝手に飛び回る悪霊のようなものになってしまうんだ」と言って感情を爆発させつつも、この事件から逃げることなく受け止める。

シリーズものだそうで(本作は第3作に当たり、前2作は日本未発売)、これは次作も期待したい。



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by non-grata | 2012-10-12 13:27 | 読書

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