おっさんノングラータ

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阿部和重

もっともらしい言説は「本当にそうなのか」と常にチェックしないといけない。

文学に必要なのは批評性だ。どんな状況でも絶えず生み出され続ける無責任な言葉に対し、それは違うという声を発しなければならない。文学は紋切り型をずらしたり組み立て直したりすることで、その影響力を遮断できる。(中略)文学こそが「確かな野党」のような存在でなけれぱならない。

読者が「自分の小説」として受け入れやすい小説が歓迎され、そこに安易な癒しや教訓が期待される風潮には危機感を覚える。文学はサプリメントではないのだ。

(日経新聞夕刊より)
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by non-grata | 2012-07-12 13:56 | 言葉

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~

d0252390_1385159.jpg何のかんのと言いながら、3巻も読んでしまった。

古書にまつわる新たな事件と、その事件から次第に明かされていく栞子さんの母親の実像という二重構造が、前作より顕著になっている。そのぶん、本作だけを読むとどっちつかずの印象を持たれかねないのはシリーズものの宿命か。1巻から通して読めば、次第に明かされていく後者の謎に興味を持てるのではないかと思うのだが。

それはさておき、栞子さんが八海山を好んで飲んだり、不思議と日本酒は残らないという件に共感を覚えた。よく、焼酎は二日酔いしないと言われるが、自分は駄目で、焼酎を飲んだ翌日は頭が痛くて仕方なかったが、日本酒なら平気だった。今はどちらもしっかり残るようになったのだが。

「ラノベ」に分類されているせいか、どうしてもキャラクターの造形が鼻についてしまう、早い話が「マンガ的」なのが気になるが、このくらい輪郭がはっきりしているほうが受けが良いのだろうか。コミカライズされているそうで、そのうちアニメ化、そして実写映画化もあるかもしれない。角川だし。
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by non-grata | 2012-07-12 13:28 | 読書

空調ざぶとん

d0252390_12483236.jpg以前使っていたUSBタイプのもの、恐らくは中国製のまがい物がついにファンが回らなくなったので空調服(会社名なのです)のものに買い換えた。「空調ざぶとんは空調服固有の製品であり、まがい物に注意」という呼びかけをどこかで見たし、件の中国製のまがい物がどこにも売られていなかったので、駆逐されたのかもしれない。

スタンダード・タイプは電池式で、なるほど車椅子に使うのによさそうだが、会社での普段使いなので2012年モデルのACアダプター対応商品を購入。ファンの回転数も2段階でなかなか良い感じ。ファンの音はやや耳障りだが、気にする他人はいないので問題なし。

これさえあれば、エアコンなしでも夏を乗り切れる……はずだ。
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by non-grata | 2012-07-11 12:53 | 買い物

愛と誠

d0252390_11515820.jpg『ハロー!?ゴースト』とどちらを観に行くか迷ったが、大阪ではそろそろ『愛と誠』の上映館、上映回数とも減少してきたために後者を選んだ。身近で観た人は口を揃えて「面白い」「上半期邦画ナンバー・ワン」と絶賛だが、好き嫌いが分かれるタイプの作品かもしれない。

「愛とは戦いである」というジャワハルラール・ネルーの言葉で始まる本作だが、作品のテーマは「愛ほど傍迷惑なものはない」。迷惑であることに無自覚でいるか、自覚した上でなおも押しつけるくらいでないと、軽々しく愛を語ってはならんのだなあ、ということ。それが端的に描かれているのが冒頭、早乙女愛が「私のこと?」とボケるシーンと、誠と権太とのファースト・バトルで、誠をかばったつもりが動きを封じてことごとく権太のパンチが命中するシーン。笑わされるが、どちらも迷惑この上ない。

とまあ、劇画では真摯なシーンでも、あるいは昭和なら観客も納得して受け止めた演出でも、21世紀の映画でそのまま描くと突っ込みどころとなる。それを無理なく笑いに転換しているのはお見事。

主要登場人物が歌う昭和のヒット・ソングはいずれも力があって、慣れないミュージカル映画を観た時のような唐突感を覚えることもなく、すんなりと楽しめた。「新宿の目」をバックに暴れる誠も良かったが、トイレの中での「圭子の夢は夜ひらく」、ガム子の歌も良かった。

上映時間は2時間オーバーだが、退屈させてくれない良作だった。
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by non-grata | 2012-07-10 12:32 | 映画

日帰り伊賀ツーリング

赤穂へ行きたかったけれど、Vespaの引き取りもあったため、近場の伊賀へ。最近は名阪国道を起点/終点としたツーリングばっかり。
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忍者屋敷と博物館へ行ってから、上野城へ。忍者屋敷は10年以上前に行ったはずだが、その時のままだった。案内役のくの一お姉さんの解説もお見事。
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天守閣には登らず。アナウンスでは「日本一」、看板には「日本で一、二を争う」高さの高垣。濠の向こうには学校が。

この2枚は、「クリエイティブ・モード/トイ・カメラ」で撮影したものだが、ビビッドな色調も悪くない。以下の写真は自動モード。
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上野市駅をふらふらしていると、古い列車の引退撮影会が催されていて、いわゆる「撮り鉄」が群れをなしていた。列車内では前半分で鉄道グッズ、後ろ半分で昭和レトロな駄菓子を販売。車内で「紋次郎イカ」を食べていたら、撮り鉄仲間同士の熱い語り合いが嫌でも耳に入ってくる。
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何故か敷地内に痛車が止まっていたり。
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本日のメイン・イベントの田楽。定食を頼むと田楽+ご飯+お吸い物+新香のセットが出てくるが、田楽だけで良かった。季節限定のなす田楽が美味だった。

伊賀で昼食を食べた後、R422を信楽方面へ。そこから県道5号、R163、県道4号を経て柳生を抜けてから、針ICから名阪国道で帰還した。時間に余裕がある時はR422をそのまま北上して、今何かと話題の大津方面まで足を伸ばしてから帰るのも悪くない。

忍者屋敷、それから帰りの名阪国道で『愛と誠』の「花園実業高校」の生徒みたいなのと遭遇。

県道5号で規格外のトマトやなすを購入。香芝SAではタカキベーカリーの食パンと豆富ドーナツを買い、イカ焼きを食べた。関西のイカ焼きは玉子とじがデフォルトかと思っていたらオプションだったとは!
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by non-grata | 2012-07-09 12:08 | 関西日帰りツーリング

英国太平記

d0252390_13285956.jpgタイトルに釣られて衝動買いした一冊だが、なるほど時期的には太平記と変わらない。

英国史にさして興味があるわけではなかったし、映画『ブレイブ・ハート』も未見だが(本書を読んだ後にDVDを購入した)、『ハンマー・オブ・ザ・スコット』なるボードゲームを遊んだことだけはあり、スコットランドとイングランドが戦ったという話だけは知っていた、という基礎知識を持たない者が読んでも、抵抗なく最後まで読める。読書は殆ど通勤時間だけに限定されるが、本書は珍しく、続きが読みたくて帰宅してからも頁を繰る手を止められなかった。

「ハンマー・オブ・ザ・スコット」とは、イングランドに鉄槌を下すウィリアム・ウォレス、のことではなくて、スコットランドをこらしめるイングランドのエドワードI世のこと。物語はこのエドワードI世によるスコットランド侵攻と、それに抵抗するウォレス、そして後にスコットランドの王となるロバート・ブルースを主体として展開される。ゲリラ戦を展開するウォレスを楠木正成に、両陣営の間で揺れるブルースを足利尊氏にたとえて読むのも面白い。まさに「英国太平記」。

『ブレイブ・ハート』を観て、ビジュアルを固めてからもう一度、読んでみたい。
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by non-grata | 2012-07-07 13:39 | 読書

9割の日本人が知らない「日本語のルール」

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『声に出して読みたい日本語』(斎藤孝)あたりから日本語本ブームが始まって、今もそれに類する本が出版されているが、どれもあまり興味が惹かれるものではなかった。しかし『9割の日本人が知らない「日本語のルール」』は、産経新聞の紹介文が巧かったからだろうか、書店に注文して購入した(amazonでは新品は扱っておらず、中古品が定価以上の価格で販売されている)。

全部で50の項目があり、「楽しい/嬉しい」や「おかげ/せい」の違いなどが例文とともに紹介されている。最初の見開きで例文が紹介され、次の見開きで解説が行われるといった具合。

「9割の日本人が知らない」というのはいかにも誇大表現で、「殆どの日本人が感覚的には理解しているが、言語化して説明するのは困る」と称すべき内容。新しい発見はないかもしれないが、普段何気なく使っている言葉が何故そういう使い方になるのか、理解する手助けにはなる。
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by non-grata | 2012-07-06 12:30 | 読書

台湾の日本料理

海外で日本食をいただくと、だいたい残念な思いをするのだが、何日か現地の料理が続くと、案内役が気を利かせて日本食を勧めてくれることがある。よほどのことがない限り地元の料理で耐えられるのだが、勧めてくれる人も食べたいのかもしれないと、そう言う時は誘いに乗ることにしている。

数年前に行った台北の居酒屋は、日本人が経営している店なので完全な日本食だった。筍が感動的に美味しかった。

そして先月、久しぶりに台北で日本料理を食すこととなった。台北101近くのビル10階に位置する洒落た感じの「創作日本料理レストラン」で、すぐ外にはプールはあるわ、BBQコーナーはあるわで、おっさんは気後れしそうに。いやそれよりも、こんなところで出される妙ちくりんな鍋とか寿司とか大丈夫だろうかと思っていたら、これが意外にも美味だった。

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まさか6月に鍋を食べることになろうとは。効き過ぎなくらい冷房が入っているので美味しくいただけたが。

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創作寿司。見た目は怪しいが、美味。皿の縁に塗りつけられた緑色の物体はワサビ。

見晴らしも良く、夜なら夜景も楽しめそうな店だった。また行ってみたい。

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夜は士林の屋台へ。初めて食べたフトモモが食感、味ともストライク。日本でも食べられないものか。
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by non-grata | 2012-07-05 12:47 | チラ裏

ミッドナイト・イン・パリ

芸術家がこぞって集まった1920年代、あるいはベル・エポックの時代のパリは、芸術や世界に明るくない自分にとっても魅力的に映る街で、そこを舞台にしたウディ・アレンの新作となると、見逃す手はなかった。と言ってもウディ・アレンの映画は6年ぶり、実に『タロットカード殺人事件』以来となる。

ある種のタイム・スリップもので、ハリウッドのどうでもいい映画の、金にはなるが誇りにはできない脚本書きが婚約者とその両親とともにパリを訪れる。自分の仕事に疑問を抱いている彼は、旅行中も執筆中の小説で頭が一杯。世俗にまみれた婚約者家族と距離を取るうちに、とあることがきっかけで、1920年代のパリへと足を踏み入れてしまう。そこにはヘミングウェイにフィッツジェラルド夫妻、ガートルード・スタイン、ダリ、ピカソたちが紫煙をくゆらせ、あるいはアルコールに身を浸しながらクリエイティブに暮らしていた。

小説の推敲を頼む主人公に、つまらないものを読まされると不快になるし、自分より面白いものを書かれても不快になる、とヘミングウェイ。実際にそういうことを言ったかどうかは知らないが、いかにも言いそうなことを言わせている描写がいちいち面白い。

ところで、社会人になって一定の役職につくと、「人を育てる」という課題に直面する。かつては自分も人材を育成するためにはと、人から話を聞いたり、関連する本を読んだりしたものだが、結論としては他人がどうこうして人様が育つはずはない。周囲にいる者ができるのは、せいぜいが育つ環境を準備してやることだ。馬を水飲み場に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない、というあれである。

そしてその環境も、実のところ当の本人が気づくかどうか。『ミッドナイト・イン・パリ』の主人公はそれに気づいたのだ。考えてみれば、わざわざタイム・スリップしなくとも、我々はヘミングウェイやピカソの作品に触れ、それらから何かを感じられるではないか! それがわからなければ、たとえその時代に生きたとしても、別の時代への憧憬を抱き続けるだけで終わったかもしれない。

しかし現実は映画のように簡単に、自分が行くべき「水飲み場」が見つかったからと言って、おいそれとは動けないというのが、何とも。
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by non-grata | 2012-07-04 13:02 | 映画

宇宙戦艦ヤマト2199 第二章「太陽圏の死闘」

第一章が面白かったので、公開初日に第二章を観た。前章を上回る出来だった。

『2199』のリメイクの肝は、オリジナルがやりたくてできなかったこと、舌足らずな表現のやり直し、そして演出のアップデートにあると思うのだが、第二章ではそれらが全て良い形で提示された。ワープ航法や浮遊大陸の存在意義(もう少し環境選べよとは思うが)、土星の衛星や冥王星の表現、反射衛星砲の本来の用途などがうまく説明されていて、初見の人もマニアも納得。ミリタリー・マニア的にも、〈ヤマト〉の識別記号が「BBY-01」になっていたり(BBは戦艦を表す記号)、コスモゼロの主武装が零戦の20mm機関砲を彷彿させる、射速は遅いが当たれば必殺の実体弾になっていたり、潜望鏡をのぞく艦長が帽子を反対に回したりと、嬉しくなる描写が多い。

反射衛星砲を邀撃兵器として使うことに対して、シュルツが、ドメルに倣って機転を利かせろ、といった話をするが、これはドメルのモチーフであるドイツ軍のロンメル将軍が、対空砲を対戦車戦に投入して戦果をあげてことにちなんでいるのだろう(もっともオリジナルはロンメルではないらしいが)。

どうなることかと気になっていたのが波動砲の扱い。核兵器を連想させるそれは、1作目では、ヤマト側は危機打開のため以外には使用せず、それも敵艦隊に向けては放っていない。浮遊大陸のガミラス基地に対して使用したが、大陸ごと吹き飛ばす威力があるとは知らなかったのだ。冥王星基地攻撃に際しても、波動砲を用いてアウトレンジ攻撃を推す南部を、惑星に多大な影響を与えるからと古代、沖田ともにあっさり却下。本放映の70年代なら説明不要の展開と思うが、今ならどう捉えられるだろうか。

脇役にもそれなりに活躍の場があり(森雪の部下とか)、もちろん人格も描かれていて(藪の言動がいちいちネガティブなのが笑える)、それだけでも「俺が観たかった『ヤマト』の冒険はこれなんだ」と膝を叩きたくなる。次章は地球との最後の交信にデスラー機雷、ガス生命体ですか。待ち遠しい!

唯一残念だったのは、劇場でBDを購入できなかったこと。すぐにでも観直したい……劇場へ行くか。は、これが手なのか!?
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by non-grata | 2012-07-03 12:42 | 映画

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