おっさんノングラータ

カテゴリ:映画( 63 )




(M09)猫いいよね|『猫侍』感想(★★★★★)

d0252390_925144.jpg強面で腕の立つ侍(北村一輝)が生活のため猫を斬る仕事を引き受けるも、斬れずにこっそり連れ帰ってしまう。そのせいで起きるドタバタを描いたテレビ・ドラマの映画化。ドラマと映画はストーリーが異なるらしいが大筋は同じ。

侍×猫のミスマッチに星五つ



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by non-grata | 2014-03-19 09:08 | 映画

(M08)至ってフツーに|『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』感想(★★★★★)

d0252390_6562460.jpg親父(ビッグ・ダディ=ニコラス・ケイジ)にヒットマンならぬヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)が、ヒーローに憧れる貧弱な少年(デイヴ・リゼウスキ)とともに街の悪を撃つ、続編ムービー。なんですが、序盤で前作のおさらいをしてくれるので安心。もちろん前作を観ていると冒頭のシーンで思わず微笑んでしまうでしょう。『キック・アス』が帰ってきた、と。星一つ

時の流れは速いもので、HGはハイスクールの1年生。BDの同僚だったマークスの保護下で生活しています。が、治安維持活動は御法度、高校生らしく生活しなさい。自分の真似をしてスーツを身につけた自警団が活躍し始めると、KAも普通の生活に物足りなくなり……。

KAのライバル、レッド・ミストは暗黒面に落ちて「マザー・ファッカー」と改名。資金力にものを言わせて悪の組織を編成します。黒人、中国系、ロシア系と、安っぽい人種差別感丸出しの部隊編成に笑わされます。星一つ

HG、KA、MFとも、親の反対を乗り越えて己の信念を貫こうとする姿勢が面白い。目指す方向はばらばらなんですが。その構成のユニークさに星一つ

で、HGは学校で女子力高い系の生徒にいじめられたりするわけですが、『キャリー』と同じでいじめるほうがいじめられるほうより貧相なので(クロエちゃんも貧相そうに演じてみせてはいるものの)、ここは笑うしかないでしょう。星一つ

今回は新キャラとして、「キャプテン・アメリカ」ならぬ「カーネル・スターズ&ストライプ」が登場しますが、これはまあいてもいなくても同じ存在。せっかくジム・キャリーを使うのであれば、もっと活躍の場を与えるべきだったのでは。もったいない! しかしそれを言い始めると、小さな女の子が殺し屋を演じる意外性が今回は失われているので、作品そのもののインパクトも薄れております。ならばシリーズを重ねて……ヒット・ワイフ(『Mr.&Mrs.スミス』があるじゃん)にヒット・ウイドウ(壇蜜!!がいるじゃん)、ヒット・グランマ(『レッド』があるじゃん)……先行者がいますね。

HGやKA、CSASの存在感の薄さに比べると、MFは輝いていました。「庶民の夢は宝くじを当てて、スカーレット・ヨハンソンとやることだ!」という台詞は、魂の叫びです。真理です。星一つ



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by non-grata | 2014-03-07 07:31 | 映画

『KANO』に行けない件

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この映画なんですけどね。
地下鉄の吊り広告で第9回大阪アジアン映画祭があるのを知って、オープニング作品が『KANO』なんですよ。無名の弱小高校「嘉義農林高校(嘉農)」が日本人の熱血監督(永瀬正敏)指導の下、甲子園に出場するという実話をベースにした作品で、野球が好きで映画が好き、台湾(と台湾映画)も好きなら観るしかないやろ。

なんですが、チケットは既に完売なんですね。どちらにしても7日は出張で行けなかったわけですが。

台湾でき昨日から公開されていて、映画好きの台湾人の仕事仲間から、「『KANO』良かったわー、美しい話やったわー。あんたの好きそうな話やから、観に行かなあかんで(意訳)」というメールをいただきました。そんなこと言われましても。

その人のおじいさんが1911年生まれ、嘉農の主人公も1910年生まれ。そしてそのおじいさん、嘉農で野球をやっていたんだそうです。そりゃ公開日に映画館にダッシュするわけだ。

うーむ、シネマート心斎橋あたりで上映してくれないものか。



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by non-grata | 2014-02-28 11:14 | 映画

(M07)『劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵』感想(★★★★★)

d0252390_10305988.jpg2012年に放映された『モーレツ宇宙海賊』の最終回で映画化が発表されたわけですが、それから2年後の今年、ようやく実現しました。パチンコ・マネー恐るべし。

評判の良い原作は未読、テレビ放映も何となく見ていただけというぐうたらが劇場へ足を運ぶ気になったのは、ファミリーマート限定の前売券付きの痛・弁天丸を買ってしまったため。ハセガワ製のこのキット、そのうち買おうと思っていたのですが、これまで機会に恵まれなかったのです。

映画はテレビで放映されたストーリーの続きですが、未見の人でも、あるいは話を覚えていない人でも、冒頭で女子高生の日常から宇宙海賊稼業への流れがももクロの『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』とともに描かれ、観客を一気に「どこかの宇宙」へ連れて行ってくれます。やっぱももクロはエエわー、で星一つ

意識が海明星に到着したら、あとはただただスペース・オペラに身を委ねるのが本作の楽しみ方(だよね)。無限親子の父子の葛藤に共感するもよし、ヨット部メンバーの協力態勢に胸熱するもよし、梨理香vsスカーレットのキャット・ファイトを楽しむもよし(短いけど)。茉莉香の新コスチュームに萌えるもよし。星一つ。もちろんチアキ"ちゃん"も元気です。星一つ

スペオペと言っても、ヒーローがお姫様を助けるのではなく、ヒロインが少年をフィジカルでもメンタルでも救う話で、「自分の道は自分で拓け」がテーマ。70〜80年代は無軌道に突っ走る子どもと、それを陰で支える大人、という構図で(『宇宙戦艦ヤマト』の古代&沖田がその典型)、90年代に入ると、子どもも大人も役割がはっきりしない混迷の時代に突入して(『新世紀エヴァンゲリオン』の碇父子)、今は迷える子どもを同世代の成功者が背中を押すようになったということでしょうか。その茉莉香も梨理香に放任されてきたから、結局は環境に甘えることなく自分で物事を決めなはれ、ということなんですかね。それはどの時代にも通じる真理ですが、ことさら強調せねばならないというのが今の時代性ということなんでしょう。

で、新しい道が拓ければ違った風景を見られるわけで、どれだけの風景を見られるかで人間の成長は決まります。無限彼方君にとって、そうさせてくれたのが茉莉香であって、そのための道具がダイバー・スーツ(?)で、亜空間のXポイントを見て人生が変わりました。

話は唐突に『ノラガミ』になりますが、夜トがいじめられっ子にアドバイスします。仲間の数を気にするんじゃなく、一人でいいから信頼できる相棒を持て、と(チャンドラーの小説にも似たような台詞がありました)。その一人っていうのは、違う風景を見せてくれる人であるべきでしょう。もちろん自分もその人にとってそうあらねばなりませんが。

『モーレツ宇宙海賊』が痛快なのは、主人公たる茉莉香が劇中の登場人物たちにとっても、また観客にとっても常に違う風景を見せてくれる存在であるからで、それこそまさにスペース・オペラの精神というやつではないでしょうか!星二つ



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by non-grata | 2014-02-26 11:33 | 映画

(M06)社会派映画です|『地球防衛未亡人』感想(★★★★★)

d0252390_9465835.jpg言わずと知れた河崎実監督作品ですが、テレビCMもちょくちょく流れているようで、勘違いして劇場へ足を運んだ人が怒ってしまうタイプの作品です。『地球防衛少女イコちゃん』に始まり、『いかレスラー』『かにゴールキーパー』などでカルト的な人気を博した河崎監督作品はDVDで鑑賞していましたが、さすがに映画館で『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』を観た時は脱力しました。ギララで免疫がついていたはずなのに、『地球防衛未亡人』でまたも、大いに脱力してしまいました。すみません。

大阪での公開日、シネマート心斎橋へ行ってきました。初日は上映後に監督と堀内正美さん、ペルビー貴子さんの舞台挨拶があり、撮影自由、公開自由とのことなのでパチリ。満員で、前に座っていた人の頭に堀内さんが隠れてしまいましたが。
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以下、覚えている限り。ニュアンス間違っていたらすみません。
●社会派監督です!
●地球防衛「少女」を撮っている自分に、おおよそ30年後に地球防衛「未亡人」を撮っているよ、と言っても信じてくれないだろうなあ。
●3.11後は映画を撮る気にならなかったけれど、何かしなければならないという思いもあった。けれども、辛気臭いのは違うと思うし、笑いながらも考えさせられる作品にしたかった。
●もともとは『怪獣のうんこ』という仮題だった。壇蜜さんへのオファーは、電話で直接「『怪獣のうんこ』に出ませんか?」快諾してくれた壇蜜さんまじ天使。
●天使エピソードその1:『いかレスラー』のファン(?)。ストラップをコンプリートしていた模様。そのつながりで自室に『いかレスラー』のポスターが貼ってあったんですね。
●その2:メイキングDVDではすっぴんでの出演を快諾。普段はユニクロとかしまむらの服を着こなす(?)。そんなわけで、オフのシーンではダサダサの服装ですが、これが様になっているのです。
●多分、堀内さんの持ちネタその1:監督から「次の映画は壇蜜さんとの絡みです」と言われて、しまむら(ユニクロだったか)にブリーフを買い求めに行く。絡みって、そういうことじゃなくて、普通に共演するだけですから!
●その2:白衣は自前。当日の土曜ワイド劇場に、不倫する医師役で出演されたそうですが、この時に着ていた白衣も自前なんだそうです。
●オチは筒井康隆さんの小説から。「使っていいですか?」と監督が電話で尋ねたところ、二つ返事でOK。クレジットもギャラも不要でした。太っ腹。
●筒井康隆さんと言えば、『日本以外全部沈没』も河崎監督作品ですが、ペルビー貴子さんは元ネタの『日本沈没』を知らなかった!(昭和版はもちろん、平成版でさえも!)
●『地球防衛未亡人』の製作費は『パシフィック・リム』の3000分の1! JAP(本作における地球防衛軍の日本支局)の司令部なんて撮影スタジオだよ! たまたまなんですが、某地方アイドルのPV撮影でこのスタジオを使わせてもらいました。
●今は素人さんでも映画が撮れる。お前らどんどん映画撮ってYouTubeに投稿しやがれ! 良いネタがあれば、監督見習って直接オファーするんだ!
●映画製作は「映画ごっこ」の延長です。いい大人が真剣になってごっこ遊びをするからいいんだ。勝新太郎もそんなことを言っていた。

最後の言葉ですが、たまたま読み終えた『星になるには早すぎる』でも同じような台詞があり、通じるものがありました。以下、長いですが引用。

「安くないチケット代を払い、隣の客と肩を寄せ、楽しそうに試合を眺めている。野球選手は、お百姓や技術者のように物を生み出すことはできん。ワシらが与えられるものがあるとすれば、それは品物ではなく歓喜や興奮なんよ。空気を切り裂く豪速球に天高く舞い上がるホームラン。そういうものに希望を見出すからこそ、ファンはスタジアムに金を落としてくれるんや」

舞台挨拶は初めてでしたが、監督や出演者の生の声、映画に対する想いが伝わってきて非常に面白いものでした。星五つ



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by non-grata | 2014-02-18 10:26 | 映画

(M05)男の生き方二題|『ラッシュ』感想(★★★★★)

d0252390_11542467.jpg全くF1に興味がない人が観ても理解できるし面白いし、けれどもこの映画がきっかけでF1に興味を持つかと言えば疑問。しかし人間、特に男性の生き方が面白く感じられるようになる作品です。

1976年のF1シーズンはちょっとした奇跡のシーズンでして、前年の王者フェラーリのニキ・ラウダに対して、マクラーレンに移籍したジェームス・ハントが激しいポイント争いを繰り広げます。運命を受けたのはドイツ・ニュルブルクリンクのレース。元々危険なコースでしたが、降り続く雨で路面コンディションも最悪。「20%を超えるリスク」を嫌うラウダはレースの中止を提議しますがハントたちの反対にあって強行されます。そしてラウダは、生死の境をさまよう大事故に見舞われるわけです。

で、物語はF3時代から因縁が続くラウダとハントの物語を描き、二人がF1ドライバーに昇格した翌年、1976年のシーズンに焦点を当てています。まずはラウダ(ダニエル・ブリュール)、ハント(クリス・ヘムズワース)ともにそっくりなことに星一つ。本人映像見て驚きました。

真面目で秀才肌のラウダと、奔放で天才肌のハント。二人の対比が鮮やかです。これは後にわかることですが、対比はしていても対立はしていない。男なら誰でも持っている二律背反な要素です。

例えばラウダ。誠実で美人の奥さんがいて、家庭を第一に考える生き方を貫いた結果、リスクを回避します。しかしハントは、「死に神を見返してやる」とばかりにリスクを度外視した走りをしてレースに勝利するわけです。どちらが正しい/間違っているとは言い切れません──二人は世界最速をかけて戦うF1レーサーなのですから。などということを考えさせられ、星一つ。後者の生き方が理想と思いつつ、実際にやっていることは前者、という人も少なくないでしょう。

ではラウダの生き方がつまらないかと言えばそんなことはなく、映画ではラウダ夫人との出会いをコミカルに描いています。ここも見どころで星一つ。初夜、幸せを持つのが怖い、それを失うのが怖いとつぶやく夫に夫人が返す「too late」にどきりとさせられます。

レースのシーンはド迫力。大音響のエキゾースト・ノイズを耳にするだけで身体が震えます。どうやって撮ったの? と思えるくらいにスタンドも車もリアル(富士の「たいれる」まで再現)。車好きでなくても魂を鷲掴みにされます。星一つ。「男は女が好きだが、車はもっと好き」「車を発明した奴も俺たちがこんなに車を愛したとは思っていまい」(うろ覚え)なる名台詞も飛び出します。

シーズン後、ラウダとハントの二人は思わぬ場所で出会います。ラウダは正直にハントの才能を認め、羨ましがりますが、ハントはラウダに対して同じ感情を抱いたかどうかは最後まで明かされません。ラストがなかなか意味深で星一つ。いい映画でした。



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by non-grata | 2014-02-12 13:03 | 映画

(M04)シュテルンビルトの金八先生|『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-』感想(★★★★★)

d0252390_925333.jpgヒーローものであり、子どもに見せられる健全なアニメでありながら深夜に放送され、婦女子から予想外の絶大な人気を集めた『TIGER & BUNNY』の新作続編であります。前回の劇場版は総集編+新エピソードでしたが、今回は正当な続編。

本編前のヒーロー紹介が週替わりに行われるという、前作同様のファン泣かせ仕様は健在。その後、オープニング・ソングから本編に入る構成はテレビアニメ的ですが、背景を飾る桂正和のイラストが秀逸すぎて星一つ。これだけで劇場に足を運んだ甲斐がありました。

以下、なるべくネタバレにならない程度にまとめると、二軍(二部)で苦悩するタイガー&バーナビー。誤解から生じた小さな亀裂が、アポロン社の経営陣刷新で断裂へと発展します。ここに物語の二つの鍵が潜んでいます。

正義の心は持っているけれど、力及ばずの二軍のヒーローたち。間もなく公開の『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』の自警団を彷彿させます。けれど二軍は赤字、徹底した合理化を図る新経営陣は部門の廃止を決断します──バーナビーを一軍に昇格させた後で。

そうして虎徹に訪れる中年の危機。「この時期に問題や症状が生じたら、それは新しい自己実現のための病だと考えられるのです。これに直面しないでいる限り、その問題なり症状なりに、悩まされ続けることになりますが、勇気を持って立ち向かい、これを乗り越えると、それは新しい可能性や創造性への飛躍につながります。したがって、「中年の危機」は意義深い停滞と言えますし、またこの危機はきわめて「正常」なものであるとさえ言えます」ということです。このへん、実際に映画を観た人と語り合いたいところですが、未見の人の興を殺ぐのが忍びないので口は閉じておきましょう。リンク先からもう少し引用させてもらうと、

「この「危機」を乗り越えようとする過程で多くの人が体験することのイメージとして、「夜の海の航海(night sea journey)」があります。心が暗闇の中にあって、出口の光が見えず長らく低迷する状態です。しかし、航海がそうであるように、いつかは闇の世界から脱出する時が来ます」

このあたりが実に鮮やかに演出されているのです。それは、虎徹以外のもう一人のヒーローについても言えることです。その人個人の悩みですが、虎徹にも、あるいは他のヒーローにも、いやいや中年の危機を迎える全ての人々にとって、乗り越えなければいけない悩みですよね。

アメコミで育った子どもたちが『アベンジャーズ』シリーズを支持するとすれば、『TIGER & BUNNY』はどのあたりに支持されているのか? 特撮ヒーローものが好きな人? それはもちろんあるとして、加えて、「金八先生」シリーズの学生ドラマ好きだった人にも訴求するはずです。学校は社会の縮図と言いますが、ヒーローたちも「ヒーローTV」という権威に縛られています。生徒に指導し、時に助けてくれる先生はディレクター。ヒーローたちは個人的な悩みを抱えつつも、成績を上げることを求められます。そのヒーローたちに期待し、広告費を支払う形で投資する企業が親に当たりますか。『〜The Rising』では、校長がスカウトしてきた優秀な転校生が入ってくることで、生徒たちの学園生活に大きな波紋が押し寄せることになります。そこに前述した「中年の危機」が加わるのだから、面白くないわけがありません。学生ドラマとして懐かしく見られるのと同時に、同時代性の面白さまであるのですから。

そう考えると公開初日のレイトショーで、意外に年輩の観客が多かったことも納得できます。彼らはヒーローものだから、ではなく、ドラマとして楽しんでいたのではないでしょうか。あるいは、「アメコミ的なもののアニメーション」と期待して観ると裏切られたかもしれませんが、70〜80年代の日本のドラマが好きだったなら、きっと楽しめたことと思います。最後に拍手したくなるくらい。星一つ

あと三つ? えーと、カリーナちゃんが女っぷりを上げました。髪を後ろにくくるところで星一つ。苦悩しているのにそうは見えない牛とスカイ・ハイに星一つ。それでもって、最後はやっぱりUNISON SQUARE GARDENで締めてくれたことに星一つ。おっさんだけど、USGの曲を聴くと幸せになれますな。



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by non-grata | 2014-02-10 10:24 | 映画

(M03)キャスティングが素晴らしい|『ジャッジ!』感想(★★★★★)

d0252390_10521993.jpgこのポスターですよ、製作がフジですよ、期待しろというほうが無理で、完全に無視を決め込んでいました。が、『アイム・ソー〜』の口直しがしたかったのと、TwitterのTLを眺めていると評判が良かったので観てきました。

名クリエイター(豊川悦司)の下で働くCMディレクターの妻夫木聡が、サンタモニカ国際広告祭の審査員を務めることとなる。ちくわメーカー社長の馬鹿息子が自社製品の(どうしようもない)TV CMを制作し、それを何とか入賞させれば同社の仕事をまとめて受注できるというのだ。さもなくばクビが飛ぶ。もともと自分が審査員だったのだが、これは無理だと判断したトヨエツが妻夫木にその役を押しつけたのだった。

冒頭、クリエイター様とクライアント様のわがままに現場が振り回される様がリアルで面白い。掴みは抜群で星一つ。そうしてできた「きつねうどん」のTV CMは爆笑ものです。

仕事では同姓の同期(北川景子)に水を空けられ、プレゼンでは大失敗、実際にさせられているのは上司の敗戦処理と、いいとこなしの妻夫木ですが、広告の仕事を目指したのには理由があります。「逆風は、振り返れば追い風となる」をキャッチコピーにした靴のTV CMに感動し、自分も他人に感動を与えるCMをつくりたいと思ったわけです。定番ではありますが、これが主人公の行動規範となっており、後の展開に不自然さを与えません。星一つ

で、前述の通り妻夫木はサンタモニカ国際広告祭の審査員を務めることになるのですが、英語ができません。そこで「リストラ部屋」に閉じ込められている(このへんも妙にリアルだ)、しかしかつて審査員を経験したことのあるリリー・フランキーに、審査会で使える英語の教えを請うことになります。この件が実に面白くて星一つ。で、彼、ミスター・メガホン(だったっけ?)がリストラ部屋に追いやられている理由が、その後の妻夫木の行動から想像されます。

というのも、広告祭は審査員が優れた作品を選ぼうとするのではなく、自分が制作した、あるいは自分にとって利益を生んでくれるCMを入賞させる「戦争」だったのです。もちろん本作はフィクションで、実際はきちんと選んでいるはず……と思いたいところですが、国際的なあれやこれやは大手の持ち回りなんでしょう。で、我らが妻夫木君は「ちくわCM」が入賞を逃すとクビにされるのを承知で、審査員に戦いを挑むわけです。良いものは良い。我々は広告制作のプロなんだから、プロが選ぶ本当に良い作品が受賞すべきである。青臭いけれど正論です。今やっている、あるいはやらされている仕事を惰性でやっている人ならどきっとするかもしれません。しました。星一つ

けれども、残念なことに正しいことをしていれば、社会的にも会社的にも評価されるとは限りません。恐らく、ミスター・メガホンは正しいがゆえにスポイルされてしまったのでしょう。そこに妻夫木君の未来が見えてしまうのですが、それでも彼に、彼の行動にビッドしてしまいたくなるのは北川景子ならずとも。彼女の最後の台詞に笑わされると同時に幸せな何かを感じます。星一つ

と、ここからは本作とは関係ないことですが、鑑賞した際、両隣が小さい子連れというノモンハンの日本軍もかくやという包囲網を敷かれました。幸い、二重包囲にはならなかったんですが、案の定、片側は途中で退屈した子どもが暴れる始末。座席指定する時に悲劇を回避できればいいんですけどね。



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by non-grata | 2014-01-30 12:00 | 映画

(M02)予告編は最高!|『アイム・ソー・エキサイテッド!』感想(★★★★★)

d0252390_9523670.jpgエンダーのゲーム』を観た時に本作の予告編を見て、たいそう面白そうだったので観てきました。というくらいキャッチーな予告編に星一つ

メキシコ・シティ(だったよな)へ向かうはずだった飛行機が、着陸装置の故障で胴体着陸を余儀なくされます。乗客をパニックにさせるわけにはいかないので、エコノミー・クラスの客と客室乗務員には一服盛って眠ってもらい、ビジネス・クラスの客には、避難先の空港が見つかるまでオネエ系──と、ポスターには書いてあるけれど、ゲイかバイのCAがおもてなし。そのビジネス・クラスの客がいろんな問題を抱えていて、着陸までに一波乱あるというコメディです。

冒頭でアントニオ・バンデラスとペネロペ・クルスがカメオ出演。豪華! 星一つ。映画は90分と程よい長さですが、90分あれば他にどれだけのことができたかと考えさせられることに星一つ。時間って大事だよね。この程度の映画でも金取っていいんだ、と全ての映画人と配給会社、映画館に勇気を与えたことに星一つ。観る側の立場で言えば、次観る映画は何でも面白く感じさせてくれたことに星一つ



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by non-grata | 2014-01-29 11:53 | 映画

(M01)エンダーのゲーム(★★★★★)

d0252390_9234443.jpgあれだけテレビCM見せられたら行くしかないよね、ということで行ってきました『エンダーのゲーム』。なんばパークス初日14時20分の回で、客の入りはまずまず。

事前情報なしでの鑑賞でしたが、それでも(1)原作は1985年発行の小説、(2)『新世紀エヴァンゲリオン』主人公は「サード」で「戦いたくない」本作主人公のオマージュ(らしい)、(3)ハリソン・フォードが教官役で登場(らしい)といった、情報がTwitterのTLに流れてきました。公開後は(4)吹き替え版のほうが字幕版より情報量が多いということも知りましたが。以下、ネタバレ含む。

近そうで遠そうな未来の地球。謎のエイリアンが襲ってきます。母艦+無数の戦闘機というオーソドックスな編成です。地球の兵器、画面ではF35の発展型のような戦闘機ですが、多勢に無勢な感じで追い詰められます。ところが司令官の英雄的行動で1隻の母艦を撃沈──というところで映像はストップ。地球が危機に陥っても優れた司令官がいれば救われるぞ、君たちも頑張ろうという戦意発揚ムービーで幕開けします。その映像からわかるのは、「英雄的行動」は戦闘機の母艦に対する体当たりで、『インデペンデンス・デイ』でもありましたね。司令官が最前線に立って体当たりまでするのはどうよ、という特攻批判と解釈できないこともない複雑な表現に星一つ

とりあえずエイリアンは撃退したものの、いつまた襲ってくるとも限らないので、見込みのある子どもたちは軍事の英才教育を施す……という解釈で合っているでしょうか。人口抑制策もとられているようで、第三子、サードを持つのは面倒な手続きが必要な社会のようです。そのサードがエンダー君ですが、長男は凶暴、長女は優しすぎて落第。次男はその両面を宿しているように描かれます。

エンダー君がめきめきと才覚を現して同期生とともに国連艦隊司令部に採用され、最後は提督になり、攻められる前にエイリアンを根絶やしにする作戦(のシミュレーション)に従事することになります。大筋はだいたいそんな感じ。

エンダー君が評価されたのはゲームに対する姿勢。ゲームとは、定められたルールで定められた勝敗を競い合うものだから、ルールの範囲内であれば、どんな手段を使っても目的を達成したほうが勝ち。勝ち方にきれいも汚いもないわけです。となると、あの空間戦闘シミュレーションのルールなら、「人間団子」をつくって敵のゲート目指せばいいんじゃね? と普通に思ってしまうわけですが、そのまんまの展開に驚かされます。予想を裏切らないやさしい演出に星一つ

この人間団子は最終戦の伏線にもなっていて、シミュレーションなら撃たれても麻痺するだけだけど、実戦だと囮にされた人は死んじゃうよね、でも囮の死で崇高なる目的を達成できるならそれでいいよね、という非情な決断へとつながります。囮作戦に失敗したレイテ沖海戦が思い出されてで星一つ

波動砲(!)で敵本星を壊滅させておいて「僕たちは殺し合うべきじゃなかった。愛し合うことだってできたのに」と叫んで小銃を甲板に叩きつける『宇宙戦艦ヤマト』を彷彿させるクライマックスが微笑ましくて星一つ。そこからが驚きの展開で、半世紀も前に制圧した敵基地なんだからもうちょっと入念にいろいろ調べとけや、とかいうツッコミが野暮に思える怒濤の5分間に震えます。

(ゲームの)ルールを守れなかったら落伍者、ルールに従うしかないなら奴隷、ルールをつくる側に回ったら支配者。エンダー君は提督の地位を手に入れてルールをつくる側になったわけで、人生の何たるかを教えてくれます。ありがとうエンダー君、ということで星一つ。「俺たちのゲームはこれからだ」でエンド。自分の人生なんだから、自分で勝利条件とルールを決めろというありがたいメッセージをいただきました。



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by non-grata | 2014-01-23 10:14 | 映画

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