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おっさんノングラータ

(B21)『女子高生、リフトオフ』感想

日経新聞を読んでいたら今年は宇宙旅行元年だそうで、何でも2014年後半には民間宇宙旅行が始まる予定です(2500万円だかで一瞬の無重力状態と「宇宙から見た地球」を楽しめる)。個人的にも、ごくごく近いところで宇宙葬の話が持ち上がっておりまして、もっともバルーン散骨などではなく、ロケットで飛ばすタイプの本格的なもの。そういうことも影響してか、書店で「宇宙」がつく本を見つけると、とりあえず食指が動いてしまいます。

そんなわけで、昔から気になってはいたけれど、何となく手を出しづらかった『ロケットガール』が、ハヤカワ文庫から再版されたこともあって、買って一気読みしました。いやあ面白かった。

(B21)『女子高生、リフトオフ』感想_d0252390_1541086.jpgただし、ストーリーは破天荒。行方不明になった父親を捜しに女子高生が単身、ソロモン諸島へやって来て、宇宙飛行士にスカウトされる!! しかも4カ月の訓練で有人飛行に挑戦してしまうというんですから!!

その根拠としては、「船長」が小柄なら宇宙船の小型化・軽量化ができる。体重が1kg軽くなれば、それを打ち上げるロケットは70kgもダウンサイズできるということです。体重70kgのおっさんの代わりに35kgの女子高生(そりゃ軽すぎだけど)を打ち上げるなら、2.5トンも節約できることになります。なるほど!

本作はジャンルとしてはライトノベルに属するからか、紋切り型の登場人物や台詞が多いこともあってすらすら読めるし、展開も派手で面白いのですが、美点は何と言っても25年前に書かれた近未来の宇宙開発が的外れでなかったということでしょう。著者の「解説」の受け売りになりますが、カプセル型宇宙船やハイブリッド・エンジンはリアルであり、本作も他の野尻SF作品同様に楽しめます。スキンタイト宇宙服もMITで開発中なのです!

様子見で1巻だけ買いましたが、これは続きも気になると、残る2巻も購入。ついでにAmazon.comでDVDボックスもオーダーしてしまいました。

「女子高生がwwwwwwたった4カ月の訓練でwwwwww宇宙飛行士とかwwwwwwテラワロス」的なコメントと最低の評価もついていましたが、日本の女子高生にできないことはないということを、彼は多分知らないのでしょう。もっともその神通力も、最近は効かなくなったように感じますが。本作が書かれた頃は無敵でしたな。






by non-grata | 2014-05-13 15:31 | 読書

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