おっさんノングラータ

(M03)キャスティングが素晴らしい|『ジャッジ!』感想(★★★★★)

d0252390_10521993.jpgこのポスターですよ、製作がフジですよ、期待しろというほうが無理で、完全に無視を決め込んでいました。が、『アイム・ソー〜』の口直しがしたかったのと、TwitterのTLを眺めていると評判が良かったので観てきました。

名クリエイター(豊川悦司)の下で働くCMディレクターの妻夫木聡が、サンタモニカ国際広告祭の審査員を務めることとなる。ちくわメーカー社長の馬鹿息子が自社製品の(どうしようもない)TV CMを制作し、それを何とか入賞させれば同社の仕事をまとめて受注できるというのだ。さもなくばクビが飛ぶ。もともと自分が審査員だったのだが、これは無理だと判断したトヨエツが妻夫木にその役を押しつけたのだった。

冒頭、クリエイター様とクライアント様のわがままに現場が振り回される様がリアルで面白い。掴みは抜群で星一つ。そうしてできた「きつねうどん」のTV CMは爆笑ものです。

仕事では同姓の同期(北川景子)に水を空けられ、プレゼンでは大失敗、実際にさせられているのは上司の敗戦処理と、いいとこなしの妻夫木ですが、広告の仕事を目指したのには理由があります。「逆風は、振り返れば追い風となる」をキャッチコピーにした靴のTV CMに感動し、自分も他人に感動を与えるCMをつくりたいと思ったわけです。定番ではありますが、これが主人公の行動規範となっており、後の展開に不自然さを与えません。星一つ

で、前述の通り妻夫木はサンタモニカ国際広告祭の審査員を務めることになるのですが、英語ができません。そこで「リストラ部屋」に閉じ込められている(このへんも妙にリアルだ)、しかしかつて審査員を経験したことのあるリリー・フランキーに、審査会で使える英語の教えを請うことになります。この件が実に面白くて星一つ。で、彼、ミスター・メガホン(だったっけ?)がリストラ部屋に追いやられている理由が、その後の妻夫木の行動から想像されます。

というのも、広告祭は審査員が優れた作品を選ぼうとするのではなく、自分が制作した、あるいは自分にとって利益を生んでくれるCMを入賞させる「戦争」だったのです。もちろん本作はフィクションで、実際はきちんと選んでいるはず……と思いたいところですが、国際的なあれやこれやは大手の持ち回りなんでしょう。で、我らが妻夫木君は「ちくわCM」が入賞を逃すとクビにされるのを承知で、審査員に戦いを挑むわけです。良いものは良い。我々は広告制作のプロなんだから、プロが選ぶ本当に良い作品が受賞すべきである。青臭いけれど正論です。今やっている、あるいはやらされている仕事を惰性でやっている人ならどきっとするかもしれません。しました。星一つ

けれども、残念なことに正しいことをしていれば、社会的にも会社的にも評価されるとは限りません。恐らく、ミスター・メガホンは正しいがゆえにスポイルされてしまったのでしょう。そこに妻夫木君の未来が見えてしまうのですが、それでも彼に、彼の行動にビッドしてしまいたくなるのは北川景子ならずとも。彼女の最後の台詞に笑わされると同時に幸せな何かを感じます。星一つ

と、ここからは本作とは関係ないことですが、鑑賞した際、両隣が小さい子連れというノモンハンの日本軍もかくやという包囲網を敷かれました。幸い、二重包囲にはならなかったんですが、案の定、片側は途中で退屈した子どもが暴れる始末。座席指定する時に悲劇を回避できればいいんですけどね。



[PR]



by non-grata | 2014-01-30 12:00 | 映画

今年は何でも五つ星
by non-grata
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

フォロー中のブログ

最新のトラックバック

検索

ブログパーツ

最新の記事

外部リンク

ファン

ブログジャンル

画像一覧