おっさんノングラータ

『GeneMapper-full build-』感想

d0252390_8285824.jpg電子書籍→一般書籍で販売という流れになったSF小説。オンラインかオフラインのニュースで読んで興味を持っていたのだが、書店でたまたま平積みされていたので購入(『箱館売ります』の下巻を探していた時だっけ)。

検索エンジンのコンピュータが暴走、インターネット経由でPCやら携帯やらの端末のOSを上書きして全て使えなくなった後の世界では「トゥルーネット」と呼ばれる拡張現実とリンクしたネットワークが普及していた。食糧増産のための遺伝子操作、遺伝子設計だけでつくられた植物も一般化しつつある世界で、あり得ない事故が発生する。完璧だったはずの遺伝子設計に崩壊(ジーン・コラプス)が発生したのだった。その原因を突き止めるため、ジーン・マッパーは、リアルで現場のベトナムへ飛び、バーチャルでは古のインターネットを調査する。一般人には危険なそこには、サルベージすべき情報が集積されているのである。

電子書籍版を改訂したもので、登場人物も一人増えているそうだが(誰だろう)、話題になったのも頷ける面白さ。インターネットに蓄積された情報が手を出せない(出しにくい)お宝になっているのに設定のうまさを感じる。いや、ネットの情報なんて胡散臭いし、という意見もあるだろうけど、「トゥルー」ネットもARのせいで現実と仮想の境界線が極めて曖昧、インターネット以上に胡散臭いのだ。

SFと言うより、近未来シミュレーションとしても楽しめる。そして最後に物を言うのは「リアル」なので、機械音痴のおっさん(自分のことだ)も安心できる。



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by non-grata | 2013-06-20 08:47 | 読書

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