おっさんノングラータ

合い言葉は「希望」|『宇宙戦艦ヤマト2199』第六章感想

d0252390_74835.jpgネタバレは避けようと思いつつ、つい見てしまった冒頭8分の宣伝映像。以来、6月15日の公開日がどれだけ待ち遠しかったか。

第六章も、TVシリーズをリスペクトしつつ、戦争映画のモチーフを詰め込んでその筋の「リアリティ」を高めるとともに、「2199」独自の要素もしっかり表現していて、実に楽しめた。最初の2話のクオリティが神がかっていたぶん、最後の1話の作画が相当残念なことになってはいたが、地球/イスカンダル/ガミラスが初めて融和したことで、それを奇異に見る乗員の心の揺らぎが表現されているんだ、と、飼い慣らされたファンとしては受け止めたい。

テレビ放映でおさらいをしつつ、劇場で最新話を観るという何とも贅沢な視聴形態だが、おかげで劇場公開時には気づかなかったことをテレビ放映時に気づかせられる。昨日はちょうど、ガミラス戦争開戦の秘密が明らかになった回だが、島パパが息子に託した言葉「希望」が、作中で何度も繰り返されている。沖田が、そしてデスラーまでもが、閉塞した現状を打開するためのキーワードに選んでいるのだ。TVシリーズが、ガミラス本星を破壊しておいて、とってつけたように古代に「愛」だの「平和」だの叫ばせておいて白けてしまったのに対し──にもかからわずそれ以後は、波動砲を大量破壊兵器として躊躇なく使い始めた矛盾──「2199」では「未来を今より良くする可能性がある」ということを、宇宙人を含めて皆が認めている。

敵にも味方にもそれぞれの正義があることを描いたのが冷戦時代につくられた『機動戦士ガンダム』であれば、安定していたはずの体制の崩壊に未曾有の危機という混沌の先に希望を見出そうとするのが『宇宙戦艦ヤマト2199』。コスモ・リバース・システムで時間を巻き戻して「なかったことにする」「別の出会いの可能性が生じる」オチだと暴れ出す原理主義者がいるかもしれないが、ここまで見事に艦を導いてくれた制作陣のこと、見事な結末を用意してくれるに違いない。

以下、気づいたこと。ネタバレ大いに含みます。

●サブタイトル「彼らは来た」は、もちろんパウル・カレルの著作から。元ネタの「彼ら」がノルマンディに上陸する連合軍(カレルにとって「敵」)であるのに対し、「2199」では双方を意味しているのが興味深い。ヤマトにとってドメルは最大の障害であり、ドメルにとってもまたヤマトは本星に対する最大の脅威なのだ。
●冒頭のドメル閲兵シーンは映画『バルジ大作戦』の少年兵がパンツァー・リートを歌うシーンを彷彿とさせる。
●ザルツ442部隊のモチーフは日系人部隊だよね……。
●三段空母、戦闘空母は新鋭艦かと思えば、旧式艦だった。ならば艦載機も同様。未熟なパイロットばかりだったので、隼36機程度でも凌げたのだと思いたい(それでも12機が未帰還)。
●何で空母1隻だけ先行していたのだろうと思ったら、あの戦闘機隊だけは物質転送機を使っていなかったから。最初に物質転送機=切り札を使って、その対策を打たれるのをドメルが嫌ったため。そしてたった4発のミサイルで空母が轟沈したのは、やはり旧式艦だったからだろう。
●護衛戦闘機を誘き出している間に別働隊が母艦を攻撃するというシチュエイションはミッドウェイ海戦そのもの。史実では、直掩の零戦が雷撃機を迎撃している間に急降下爆撃機で空母3隻を屠られたわけですが。
●新見君は死亡フラグが立ったと思ったんだけどなあ……気の強そうなポニーテールの代役が第一艦橋にいたし。
●第三艦橋は予想通り。
●ヒルデ・シュルツがまさかの再登場。花束抱えた少女が2回も映るのは何かのミス?
●藪、愛されてるな。
●まさかの女子会(回)は、希望をつなぐ話。男同士、体育会系の胡散臭い結びつきで描かれていた旧シリーズと比較して、何たる進歩(と、あえて書く)。



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by non-grata | 2013-06-17 08:28 | 映画

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