おっさんノングラータ

皮膚感覚が大事|『フライ・バイ・ワイヤ』感想

d0252390_12545345.jpgロボット工学が今よりずっと進んだ近未来の話。工科大学附属高校の選抜クラスに1台のロボットが編入される。いや、ロボットという表現は不正確だ。IMMID-28──マン・マシン・インターフェイスと呼ばれる二足歩行のデバイスは、一ノ瀬梨香という女子高生によって遠隔操作されているのだ。健康上の理由で学校に通えない子どもの代わりに登校するIMMID-28は、果たして彼彼女たちの福音となるのか? 

「宮野くんにとって、わたしって──“一ノ瀬梨香”なのかな。それとも、“IMMID-28”?」と帯に引用された本文から、人間とメカの禁断の恋を連想してしまったが、そこは石持浅海、ちゃんとミステリとなっていた。ミステリにも二つあって、一つは学校内で起きる事件と、もう一つは人間って何、という問題。もちろん、どちらにも解答が用意されていて、後者については作者が用意した結末に大いに賛同するところ。皮膚感覚が大事なのだ。

じゃあ、IMMID-28に触覚が備わっていたらどうなったか? 物理的接触がなくても伝わる感覚というものがないので(これを作中では「オーラ」と呼んだ)、やはり駄目なのだ。

しかしIMMID-28のビジュアルはドロッセルお嬢様。フェティシズムをくすぐられて超合金まで買ってしまった。
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たとえビジュアルがお嬢様でも、自律型ロボットなら大歓迎だが、デバイスに過ぎないのであればやはり駄目なのである。自律型ロボットなら良くてデバイスなら駄目(あるいはその逆)っていう感覚があれば、前述した最初のミステリの解答も得心がいくはずだ。



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by non-grata | 2013-03-27 13:32 | 読書

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