おっさんノングラータ

台湾が好きになる一冊|『路(ルウ)』感想

d0252390_17175761.jpg新聞の書評を読んで気になって買って、しばらく積ん読状態が続いていたが、このほどようやく読了。抜群に面白かった。本書については、
吉田修一『路(ルウ)』 | 特設サイト(本の話WEB)
ここが詳しい。

台湾の新幹線プロジェクトが物語の幹線だが、そこに日本人、台湾人の過去から現在にかけての物語が支線として延びていったり絡んでいったりしながら、幹線とともに未来へと向かう。

夜の台北を夏祭りが終わっても帰りそびれて神社の境内でたむろしているみたいな感じ、というのは言い得て妙。そんな感じだよな、台北。強いて言えば大阪に似ていなくもないけれど、エネルギーの放射量が断然違う。「町の食堂」が至るところにあって、朝早くから夜遅くまで営業していて、しかも気兼ねなく入れるところも素晴らしい。安くて美味いし。

ただ、台湾を気に入れば気に入るほど、日本の台湾の理解度の低さが気になる。これは本作の中でも描かれていたところ。台湾の日本贔屓を思えば、日本の態度はあまりにつれないのだ。『非情城市』とはいわないが、『海角七号』くらいは観ても罰は当たらないはず。『台北の朝、僕は恋をする』もいい映画だったし、あんなロマンチックな奇跡が起こりそうな気がするのだ、台北は。

身につまされたのがスケジュールに対する考え方。日本人はスケジュール即デッドラインだが、国際的には予定はあくまで予定。台湾なら、スケジュールより遅れれば「それだけ丁寧な仕事をしてくれた」と思い、スケジュール通りなら「どこかで手を抜いた」と訝しがられるのだ。本作を読んで、これからは終わりよければ全てよしの精神でいこう。

『台北の朝〜』で、台湾人が唐突に「可愛いね!」と言うシーンがあるのだが、それくらい台湾では「可愛い」という日本語が一般に浸透している。そして本作の印象を一言でいえばその「可愛いね!」。日本人、台湾人の全ての登場人物が可愛く、電車の中で読んでいて、表情が緩んでしまうのを抑えられなかった。




映画『悪人』を観たし、『横道世之介』も観ようと思っているのに、本作と原作者が同じだったことに気づかないのは何たる不覚!



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by non-grata | 2013-02-26 18:04 | ノリスゴ本

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