おっさんノングラータ

主人公は娘にあらず|『首斬り人の娘』感想

d0252390_14302274.jpg無性にポケミスを読みたくなって、書棚で目についた一番怪しげなタイトルを選ぶ。

舞台は17世紀のドイツ。事故死した子どもの肩に魔女を示す「♀」マークがついており、またその子どもが産婆の家に出入りしていたことから、産婆は魔女だと捕縛される。取り調べ、と言っても当時は拷問して無理矢理口を割らせるわけだが、その役目を仰せつかるのは死刑執行人。首斬り。しかし彼はそんなことはあり得ないと確信。70年前にこの町で行われた魔女裁判の再現は御免と真相究明に乗り出すのだった。

魔女だの悪魔だのが徘徊すると大衆が信じる時代にあって、実践的な医学を学んでいる首斬り人とその娘、そして医者の息子だけが科学的に事件を調べられるのが面白い。謎解きは、いざ明かされると「なあんだ」といささか拍子抜けか。それでも里子たちの隠れ家に時代性を感じたりと、面白い読み物であった。

で、タイトルは「〜娘」なのだが、主人公は処刑人。娘のほうも魅力がないわけじゃないんだけど、ヒロインという器ではなく、というよりは親父さんの存在感があり過ぎて霞んでしまうというか。ドイツでは続編も既刊なので、後のエピソードでは娘さんが活躍するのかもしれないが。

作者のオリヴァー・ペチュは祖先に処刑人を持ち、それが本作執筆の動機になったという。文章の端々から感じられるリアリティはそのためか!?



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by non-grata | 2013-02-14 14:51 | 読書

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