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おっさんノングラータ

早回しは残念|『デッド寿司』感想

早回しは残念|『デッド寿司』感想_d0252390_1649638.jpgコンドームやトマトが人を殺すなら、寿司が人を食ったっていいじゃない! というB級、いやC級テイスト全開の作品。井口昇監督作品としては、『片腕マシンガール』以来の鑑賞となった。『片腕〜』はいい映画ですよ。

父親のような寿司職人になりたいと、武田梨奈は修業に勤しむが、女であるが故に魚の生臭さを助長することに悩んでいた。女臭さをなくすために武道にも取り組むがうまくいかず、家を飛び出してしまう。彼女が行き着いたのは場末の旅館。そこで仲居として働くことになる。しかしその旅館の敷地には、慰安旅行に来た製薬会社の社長を抹殺すべく、復讐を企てるマッド・サイエンティストが潜んでいたのである。

社長に怨みを抱く科学者(ネタバレすると元社員ですな)が開発したのが蘇生薬。これが『死霊のしたたり』を思わせる蛍光色の薬で、甦ったものは凶暴になるところも同じ。だから寿司も凶暴化して人を襲うのだ──寿司のまま甦るのはおかしいとか、シャリはどうなっているとか、突っ込むのは野暮というもの。寿司が交尾して増殖する世界なのだ。

全編を貫くチープ感に脱力した笑いしか出ないが(だか、それがいい)、元板前で今は旅館の雑用係を務める松崎しげるがいい味を出している。そして黒い。

もちろん、武田梨奈のアクションが素晴らしいのは言うまでもなく、決めポーズも格好いい。序盤で見せる「スーパー・パース」と、階段でのマグロ男との斧のやり取りがお気に入り。ただ、早回しの多用は残念。『ハイキック・ガール』『KGカラテガール』と、本物のアクションを楽しませてくれただけに、ここは物足りないところだ。

女体盛りや日本独特のディープなキスなど、本作を観た外国人に過てる日本文化を植え付けようとする件には思わず失笑。そもそも生の魚や卵を食べるというのは相当にユニークな文化なのだから、日本人の男女が親密になると、卵の黄身を口移しでラリーするのが伝統だと言っても、さもありなんと思われるかもしれない。






by non-grata | 2013-02-02 17:19 | 映画

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