おっさんノングラータ

憶測が楽しい佳作|『ルーバー』感想(ネタバレ)

d0252390_11183517.jpg以下、映画を見終わってから悶々と考えていたことを列挙します。超ネタばれ&憶測です。パンフレットやらどこかの解説を見たわけでなく、かつ一度しか観ていないのが勘違いや見過ごしに起因する誤りがあるかもしれません。




『ルーバー』を観ていて、どうにも気になるところがあった。

(1)死体処理が面倒だから、過去に送って処刑するというのは、割に合わなさすぎないか?
そのためにタイム・マシンを用いるほうがコスト高だし、30年後のジョー(ブルース・ウィリス、以下ハゲ)の妻をあっさり殺害している。となれば、その死体をタイム・マシンで30年前に運んだと思われるが、だったら未来で殺して死体だけ過去に送ったほうがリスク小さくね?

じゃあ、何のために未来人を過去に送り込むのか? それが定められた歴史だからとしたら?

ここからは仮定になるが、シドがレイン・メーカーになるためには2044年に悲惨な体験をしなければならない。例えば目の前で母親が殺されるような。それは未来人の手によって引き起こされたわけだが、タイム・マシンを用いて過去を改変することで、未来に様々な変化が発生している(バタフライ・エフェクト)。何が自分の力を失わせるのかわからない、そこでレイン・メーカーは歴史を「正しく」進めるためにエイブを過去に送り込み、「ルーパー」をでっち上げさせたのだ。セルフ『ブラジルから来た少年』である。

レイン・メーカーは未来人が自分の母親を殺害することは知っている。それは、ループを閉じられなかった者の犯行であるが、誰であるかまではわからない。そこで自分の素性(生年月日+病院の番号)を伝えて過去に戻し、自分を襲わせるのだ。そのせいで自分が死ぬリスクはないのか? 最強のテレキネシスがあるので、その点については安心していたのだろう。実際、ハゲもすんなりとは殺せなかったのだから。それに過去の身柄を押さえておけば、未来人はどうとでも処理できる。

(2)ハゲがエイブを始末するシーンがなかったのは何故か?
劇中で唯一、未来人同士が邂逅する場面であり、何故カットされたのかは不明だが、観客に憶測を挟む余地を与えてくれたことに感謝したい。エイブが全てを吐露し、ルーパーの役目がレインメーカーを生み出すことにあると知らされるのだ、きっと。事切れるエイプ、躊躇うハゲ。そして決戦場へ臨む。

2044年のジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)にとってはこれが2回目のループであり、『シュタインズ・ゲート』風に言えば、α世界線からβ世界線へと移行する鍵を握る人物である。α世界線、即ちレイン・メーカーが生まれる未来が見えたのはきっとそのためだろう。ハゲも、母親を殺しただけではレイン・メーカーが生まれてくることを知っている。シドを殺さなければ──ここでしくじっても、タイム・マシンが完成したらもう一度ループして追いかける、くらいのことを思ったかもしれない。

しかし、ジョーの決断が未来をβ世界線へと移行させる。レイン・メーカーは誕生せず、タイム・マシンも悪用されることもない未来だ。ハゲのおかげでルーパーたちは全滅しているのでタイム・パラドックスも起こらないことになる。かくして『ブラジルから来た少年』作戦は失敗に終わったのだった。

ところが、β世界線ではサラがジョーの子どもを身ごもったことで、新たな悲劇が待っていたのだった……と、いろいろ妄想して楽しめる。



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by non-grata | 2013-01-15 13:24 | 映画

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