おっさんノングラータ

まさに淫乱テディ・ベア|『Ted』感想※2013年日本公開予定

先週は久々に台湾へ出張。機内映画を観るのが密やかな楽しみですが、だいたい100分で終わる映画でなければ、クライマックスで画面がブラック・アウトするなど、悲しいことになります。「続きは帰路で」なんて事態は避けたいですよね。




d0252390_9195660.jpg今から27年前のクリスマス、友だちのいない8歳のジョン(おっさんになってからはマーク・ウォルバーグ)はプレゼントにテディ・ベアをもらう。テッドと名付けられたそのぬいぐるみは、「I love you」だけを再生できたが、ジョンの祈りが奇跡を呼んでテッドに生命が吹き込まれる。生きたぬいぐるみとなったのだ(奇跡に理由なんていらない!)。

クリスマスの奇跡に国中が湧き、テッドは一躍セレブに──そしてもてはやされた子役が長ずるにつれてドラッグやセックスに溺れて身を持ち崩し、人々の記憶から忘れ去られるように、テッドも華やかな舞台からフェード・アウトしていった。

そして2012年。ジョンは35歳になり、テッドも、見た目はぬいぐるみのままだけれど中身はいい加減なおっさんになり果てていた。酒好き、女好き、ドラッグ好き、映画好き。そして何よりジョンが馬鹿騒ぎをするのが好き……なのだが、当のジョンは人生の岐路に立たされていた。勤務先では昇進のチャンスだったし、恋人ロリ(ミラ・キュニス)とはつき合って4年になり、そろそろ結婚を考えている。テッドと一緒にまだまだ面白おかしく生きるべきか、誰もがするように「テディ断ち」をして人生に真剣に取り組むべきか。

機内映画用に編集されたバージョンなので、細部が違うかもしれないことをお断りしておいて(機内食を食べながら見る人も多いはずだが、ジョンがいない間にテッドが売春婦を呼んでひどい罰ゲームをさせるエピソードはカットされていませんでした。念のため)。

既視感のあるストーリーで、すこぶるできの悪い友人、あるいはハンディを負った親族を「生きたぬいぐるみ」に置き換えただけ、とも言える。見た目可愛いぬいぐるみが汚い言葉を使ったり、ひどいことをするギャップで笑わせるのは、卑怯と言えば卑怯だけれど、やったもの勝ち。二人が好きな映画(本作を観る前に最低限『フラッシュ・ゴードン』は見ておきたい)のネタは、楽屋落ちにも思えるけれど面白い。

製作サイドの悪のりと言うか、「面白いこと考えたからやってみちゃった」感が、劇中のテッドそのまま。でもその感覚は、歳を取るごとに薄れてしまい、さらには「面倒だから」「現実的でないから」「大人はそういうことやらないし」と自分で勝手に理由をつけてやらなくなる。それはそれで大人の態度とも言えるし、常にテッドのように脊髄反射で行動していたら周囲に迷惑がかかる。けれど、面白そうなことを目の前にして、それに挑戦しない人生なんて生きる価値があるだろうか?

テディ断ちをするかしないかの二元論でなく、心の中にしまっていた淫乱テディ・ベア(これほどぴったりくる呼び名はないはずだ)を時々取り出して、人生を楽しみたいものだ。



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by non-grata | 2012-12-04 10:12 | 映画

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