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おっさんノングラータ

劇場版魔法少女まどか☆マギカ〔前編〕始まりの物語

 劇場版魔法少女まどか☆マギカ〔前編〕始まりの物語_d0252390_810549.jpgさすがにおっさん一人で観に行くのは憚られたので、円盤が売りに出されるのを待ちますか、と思っていたら、家人も観たいというので「仕方ないなあ」と劇場へ。事前に座席を予約していったから良かったものの、まさかの満席。直前に観た『アイアン・スカイ』の客筋やマナーが悪く、げんなりしていたのだが、こちらは満席にもかかわらず場内は静かなもので、落ち着いて映画を観られた。

良くも悪くも総集編で、そうなると、叙述トリックにも似た驚きやパーセプション・ギャップを利用したインパクト、毎週放映によってつくられる「間」は楽しめない。酒飲みながらBD見ているといつの間にか寝てしまうのと同じで、ついつい意識が飛びそうになった──が、そこは新しいカットや演出で興味を持続した。

ファンに怒られてしまうが、ミステリアスなストーリーとインパクトある描写を取り除いてしまえば、自分の娘たちが一生懸命に頑張る学芸会を見ているよう。これはもちろん、脚本や演出が「学芸会レベル」と言っているのではなく、魔法少女たちが自分の役割を演じるひたむきさに同質のものを感じる、という意味である。これだけ頑張っている子供たちに、「希望と絶望は等価交換」なんて思わせる世界にしちゃあいけないよなと、子供に恵まれなかったおっさんはひたすらに思うのだ。

希望と絶望がゼロサム・ゲームになるとすれば、嘘を言わなければ希望を与えられない時で、その嘘が明らかになった時には絶望が訪れる。訪れなかったとすれば、ついた嘘によって別の希望が生まれて、そのマイナスを補填してくれたからのこと。けれどもそこに嘘が混じっていれば、また同じことの繰り返しになる。なるんだけれど、嘘を繰り返す術も、すり替える術も学んだ大人はどうにかできてしまう。やはりまどかママのおっしゃる通り、子供のうちに間違えて傷つく方法を学んでおくべきだ。大人になって、いつでも傷つく覚悟ができるように。

佐倉杏子が食べているお菓子がいちいち変更されていたが、それが〔後編〕で観る者にとっての驚きに変わるサインであると期待しつつ、今週末も劇場へ足を運ぼう。






by non-grata | 2012-10-10 08:39 | 映画

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