おっさんノングラータ

『日露戦争史』を買うべきか

日経新聞夕刊の著者(半藤一利)インタビューを読んで、大いに気持ちが揺らぐ。既に書店で何度か「買うたやめた音頭」はしていたが、積ん読が増えてきたこともあって躊躇していた。インタビューで気になった文言はこんなところ。

●調べれば調べるほど、極めて過酷な戦争だったことが分かる。
●戦争終盤になると(中略)日本国内にほとんど兵が残っていなかった。日本軍は壊滅寸前だった。
●日本政府と軍部は総力を挙げて戦争終結を目指した。そして、賠償金を放棄してまで講和条約(ポーツマス条約)を結んだ。
●日本の力を国民が過信した。(中略)教えづらいことは理解するが、事実を国民に伝えるべきだった。

『日露大戦』をデザインする時、注意を払った点はそこだった。国力を考えると日本がロシアに軍事的に勝利することはできない。勝利できるとすれば、史実通りバルチック艦隊が壊滅してくれて講和に持ち込むしかない。となると、日本海海戦で日本軍は絶対勝利を収められるという前提が必要で、プレイヤーの意思が反映できるのはそれまで──時期的には奉天会戦までということになる。

奉天会戦までの主要な戦いで、日本軍は勝つには勝ったが損害は多く、中にはロシア軍が勝手にさがってくれたという戦いもあった。ユニット数やカード・イベントの内容、それに決戦志向に誘導する勝利条件などで、日本軍の言う勝利がごく戦術的なものに過ぎなかったことを表したつもりである。

昭和の戦争では日露戦争における戦争指導が参考にされたというが、国民向けの夢物語のほうが下敷きにされたらしく、実態が学習されていなかったという著者の指摘に頷くばかりである。やはり「日本はすごい国」「日本人は優秀な民族」という論調の記述や番組は眉に唾しておかないと、昭和の軍部と同じ過ちを犯しかねない。
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by non-grata | 2012-09-19 17:28 | チラ裏

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