おっさんノングラータ

海賊とよばれた男

d0252390_1040272.jpg日経新聞の広告で興味を惹かれたところ、書店で平積みされているのを見て購入。『永遠の0』を読んだことも興味を持たなかった人間に買わせたのだから、本書の広告の効果は素晴らしい。Amazonのレビューをはじめ、webには絶賛の声が溢れているのだから、サブリミナルな効果もプラスされてまだまだ売れるのではないか。もっともGoogleでタイトルだけ入れて検索するちょっとアレな市長のブログが一番にヒットするので、いいんだか悪いんだか。

正直に書けば「敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍」の惹句に惹かれたのだが、これが示唆する日章丸事件は、下巻中盤のクライマックスに過ぎない。いかに創業者が日本という国を愛していたのか、丁寧な解説で綴られた「国岡商店物語」である。なお国岡商店は出光興産であり、店主国岡鐵造は創始者である出光佐三だが、それ以外は実名で登場している。中途半端なノンフィクションは、都合の悪いことはフィクションでごまかされてしまうのではないかとストレスがたまる。

閑話休題。国岡鐵造は「社員は家族」「社員を信用するからタイムカードや出勤簿はない」「社員は馘首しない。駄目な社員は育てる環境が必要」など、終身雇用だけどモーレツ社員(どちらも死語)な昭和における理想的な労使環境をつくる一方、対社外ではグローバルな方針で臨み、石油統制に断固反対。昭和的な「護送船団方式」に真っ向から挑んだ。

中国化する日本』では、戦後を「再江戸化の成功した時代」と位置づけていたが、国岡商店は例外的に反江戸化=中国化=グローバリゼーションで勝利したと言える。しかし会社組織はその反対、再江戸化した昭和の体現なのが興味深いところだ。



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by non-grata | 2012-09-04 11:23 | 読書

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