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おっさんノングラータ

ハーモニー

完全な人間を求めた結果、魂の必要性がなくなるなど、21世紀版の人類補完計画を想わせる。中東やアフリカ、そしてイギリスで起きた暴動が「SNS発」なのだとしたら、「ハーモニー」が水面下で始まっているのかもしれない。なんて。
ヒトは本来、社会的な生き物なのか反社会的な生き物なのか? じっくり考えさせられる作品。
『虐殺器官』も読まねば。

以上が、読書メーターに投稿した内容。

久しぶりに培倶人でも買うかー、と書店に行ったら置いてなくて、手ぶらで帰るのがもったいなかったので、翌日からの東京出張の友・文庫本を探して出会ったのが『ハーモニー』。伊藤計劃の名は聞いたことがあったし、帯の「フィリップ・K・ディック賞特別賞受賞」にも惹かれて購入。面白くて一気に読んでしまった。

舞台は21世紀後半、核戦争後の世界。そこでは人間が最も貴重なリソースであり、そのリソースを最大限、有効活用するために、成人になると「WatchMe」なる生体管理ナノマシン(でいいのか)を体内に取り入れ、完全な健康を保つ。と同時に、ネットワークに常時接続されて必要な情報が共有される。そこはプライバシーのない世界であり、人間の個ではなく、共同体が社会の最小単位となる。

ヒトが社会に属する生き物であれば、それを最大効率化したらどうなるか、という空恐ろしいシミュレーションでもある。



by non-grata | 2011-09-03 10:56 | 読書

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